044:ギャルとタイマン ページ44
「面白い…ッ!呪力の解放かッ!!…貴様、妙な体を持っているな!?なんの為に呪力を縛っているか知らんが、来てみろ女ァッ!!!」
宿儺が吠え、地を蹴った。
蹴り上げられた地は抉れ、Aへと飛びかかる宿儺の爪がギラリと光る。
狙うは首。
掻き切って血を見せてやる。
しかし、突如宿儺は腕の違和感に気付いた。
「ブッ潰れろ」
Aの言葉と同時。
宿儺の腕が圧迫され、言葉通り右手肘から下が潰れ消し飛ぶ。
ほう。
凄まじい術式の速度だな。
宿儺は口元に笑みを見せる。
部位のみを的確に選択し、呪力をかける。
腕を木っ端微塵に潰すほどの呪力は、力の加減を間違えれば体全てを潰しかねない。
あくまでも、これは悠仁の体。殺すわけにはいかない。
緻密なまでの呪力操作か。
宿儺は瞳を動かし、Aを探す。
少し舐めすぎていた。
この女、相当な術師だ。
「誰探してんだよ、ジジイ」
いつの間に死角に潜り込んだのか。
Aの瞳が、動きに合わせ閃光を描いた。
忍び寄る殺意を理解し宿儺は行動に繫げる。しかし、それよりも早くAの蹴りが宿儺目掛け飛んだ。
その蹴りは宿儺の腹部を引力で結ぶ事により、通常の速度よりも倍の速度を生み出す。
言わば、磁石の原理と一緒だ。
蹴りがS極、宿儺がN極。
吹っ飛ぶ宿儺は、すぐに体勢を立て直そうとするのだが体の自由が効かない事に気づく。
なるほど、瞬時に術式を三つもかけたのか。
宿儺は、抵抗することもないまま建物にぶち当たり、コンクリート造りの壁を破壊した。
「知らねー女の影重ねてんじゃねーよ」
Aはビシッと中指を立てる。
本当は、左腕が焼けるように痛かった。
一日に使える呪力量を優に超えてしまっている。
呪力の縛りも解いてしまった。
自身の蹴り、宿儺、そして建物。術式の同時発動がこれほどまでに呪力を使うとは。
分かっちゃいたけどさ…
Aは喉の奥で自嘲気味に笑った。
「さて、これで分かったろ特級。聞きたい事山ほどあるけど、まずは悠仁の体返せや」
ガラの悪さは伏黒も肩を竦めるほど。
宿儺は瓦礫の中から、のそりと体を起き上がらせた。
「似すぎだな。胸糞悪くなる程に」
宿儺が誰に聞かれるともなく呟いた。
途端、宿儺が次に立つ場はAの目の前。
正しくは、彼女の首を締め上げて。
先ほどとは、比べ物にならない速度で少しの抵抗も許さなかった。
その目の前の光景に、伏黒は喉の奥で息が詰まっていくのを感じる。
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鼻毛太郎(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます!🙌うん億年前に書いたイラスト、そういえばあったなとコメントで思い出しました笑刺さったようでとても嬉しいです🥺まだまだ長く続くシリーズ、ぜひお楽しみ頂けたら幸いです! (8月17日 12時) (レス) @page49 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 夢主ちゃんの過去編からみてイラストを見ましたがめちゃどタイプです………これからも応援してます〜! (8月17日 9時) (レス) @page49 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます…!凄く有難いお言葉頂けて感激です😭😭長く続くシリーズ作品ではありますが、ぜひ今後もお付き合い頂けると嬉しいです…!!🌸🌸 (2022年1月2日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 話の構成がしっかりしててそれぞれの物語があってこんなに面白くて読みやすくて引き込まれる作品は初めてです…!!素敵な作品をありがとうございます最高です!体調にはどうかお気をつけて!! (2022年1月2日 0時) (レス) @page49 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - yuuna1202さん» ありがとうございますーー!!;;今後もギャル先輩と後輩悟くんの二人を是非見届けてあげてください…! (2020年12月9日 20時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年11月18日 23時