023:ギャルと七海 ページ23
____。
七海建人が帰宅すると、マンションの下に引越し業者のトラックが止まっていた。
「すんません、通りまーす!」
七海の横を業者の人間が軽く会釈し通り抜ける。
あぁ、そういえば新しく住人が入るって…
エレベーターに乗り込みながら、七海は管理人の言葉を思い出す。
七海は今日も任務であった。
呪術界は万年人手不足。人手使いが粗くて仕方がない。
七海はいつも無理矢理定時に上がっていたが、今日は7分だけ越えた。
7分でも残業は残業。
今日はさっさと夕食を採り、ゆっくりと床につきたい所だ。
居住階につき、扉が開くと廊下でも業者が行ったり来たりを慌ただしく繰り返していた。
しかも、どうやら新住人の引越し先というのは、自身の部屋の隣らしい。
そんな話があったかどうかまでは思い出せなかった。
「あ、もう自分でやれるんで大丈夫です!業者さん疲れたっしょ?飲み物買ってきたんで、お礼に好きなの持っていってください」
開け放たれた扉が壁になり、新住人の姿は確認できないが察するにいい人そうだ。
業者の人間も、嬉しそうに礼を言っている。
なんとなく、七海はその喋り方に自身の”先輩”を思い出した。
やけに似ている…
いかん、あの人を思い出した途端胸焼けしてきた。
七海は玄関の鍵を開けながらため息を漏らした。
「それでは!」
「はぁ〜い」
業者が帰ったと同時、七海は玄関扉を開ける。
途端だった。なんとなく、そう、なんとなく横目で隣を見ただけだったのだ。
新住人がこちらを見ている。
目が合う。
七海はギョッとした。
「来ちゃった♡」
こちらにウィンクを飛ばすのは、金髪の派手な女。
認めたくないが、よく知っている人だ。
七海は急いで玄関扉を閉めようとすると、すかさず「ちょっと待たんかーーい!!」と阻止してきた。
「何故貴方がここにいるんですか、Aさん…ッ!」
「こら閉めようとするな!引っ越してきたに決まってんでしょーが!美人でえっちな年上のお姉さんが隣人なんて、喜ぶのがルールじゃんか普通!!喜べよ!!」
「貴方私のこと男子高校生と勘違いしてませんか?お引き取りください…ッ」
力任せにバタンと閉める。
やった、勝った。
「何このパワーゴリラ!?本当、神経質そうな顔してフィジカルゴリラよね!!?開けてよーーー!!ねぇーーー!大声出しちゃうもんねーーーー!!」
扉越しにわぁーーと声をあげる先輩。
アホか…七海は眉間を抑えた。
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鼻毛太郎(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます!🙌うん億年前に書いたイラスト、そういえばあったなとコメントで思い出しました笑刺さったようでとても嬉しいです🥺まだまだ長く続くシリーズ、ぜひお楽しみ頂けたら幸いです! (8月17日 12時) (レス) @page49 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 夢主ちゃんの過去編からみてイラストを見ましたがめちゃどタイプです………これからも応援してます〜! (8月17日 9時) (レス) @page49 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます…!凄く有難いお言葉頂けて感激です😭😭長く続くシリーズ作品ではありますが、ぜひ今後もお付き合い頂けると嬉しいです…!!🌸🌸 (2022年1月2日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 話の構成がしっかりしててそれぞれの物語があってこんなに面白くて読みやすくて引き込まれる作品は初めてです…!!素敵な作品をありがとうございます最高です!体調にはどうかお気をつけて!! (2022年1月2日 0時) (レス) @page49 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - yuuna1202さん» ありがとうございますーー!!;;今後もギャル先輩と後輩悟くんの二人を是非見届けてあげてください…! (2020年12月9日 20時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年11月18日 23時