007:通学初日 ページ7
「あー…」
桜満開、四月の頃。
金の髪をしたAは、入学したてホヤホヤ一年生の教室にいた。
木造りの机に頬杖をつき、椅子に座り足をだらしなく投げ出す。
時計を見れば、8時39分。
待てども待てども、自分以外の生徒が来ないのである。
「…そりゃ、入学式なかったけどさ」
Aは誰に言うでもなく呟く。
『東京都立呪術高等専門学校』には、入学式は特になかった。
世間のJKデビューした人間達が、新しい場で交友関係を早々に築き上げていく。
Aは、それを尻目に世間一般の入学の日、学校裏の自宅で過ごした。
この学校に入学した理由は三つある。
一つ目、家から近いから
Aは、所謂ギャルという部類だ。
ギャルの朝は早い。けど、できる事ならギリギリまで寝ていたい。
二つ目、仏教校だから
Aの家は、この学校の裏。
寺院・『
三つ目、家に出入りするオッサンが勧めてくれたから
がら、と教室前の扉が開いた。
時刻は8時40分ぴったり。
「出席を取るぞ」
「あ、家によく来る蝶野」
教卓に立つその男を前に、Aは呑気に言った。
そう、彼が家によく出入りしているオッサン。
Aは、彼を『蝶野』と呼んでいる。
家に出入りしているくせに、名前は知らないのだ。
プロレスラーの『蝶野○洋』にそっくりなので、Aが名付けた。
「蝶野じゃない。夜蛾正道だ。」
「え、初めて名乗られたんですけど」
「別に、今までお前が聞かなかったからだろう」
蝶野__じゃなくて、夜蛾は低い声で言った。
Aはその言葉に、ふーんと相槌を打ちながら「で、なんで居んの?」と尋ねる。
すると、夜蛾は名簿に目を通しながら答える。
「ここの教員で、お前の担任だからだ」
「た、担任ッ!!?」
驚いた。
だって、ただの親父の友達で顔の濃いオッサンと思っていたから。
というか、マジでプロレスラーだと思っていた。
だってガタイ良すぎでしょ。教師じゃねーもん。
「
夜蛾は独り言のように言った。
『秋星』は、Aの父親だ。
住職だからつるっぱげで、でも住職にしちゃガタイが良すぎで、声がデカい。
Aは「親父うぜぇ…」と呟いた。
「では、出席を取る。可借夜A」
「はぁーい」
「よし、全員居るな」
「ちょいちょいちょい待て待て待てぇ!!!」
なにその新しいボケ!?
何、昨日ドリフ見てきた!?
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鼻毛太郎(プロフ) - ぱぴこさん» コメントありがとうございます🙌🤍強くてかっこいいクズが好きなのでこの結果なのですが、気に入っていただけたならばとても嬉しいです…!是非、引き続き楽しんで頂けたら幸いです^^ (1月21日 2時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - パパ黒かっこよすぎ (1月21日 0時) (レス) @page34 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 黒さん» コメントありがとうございます!🙌裏側ではいつかに向け百鬼夜行をちまちま書き溜めておりますので、いつか皆さんにお披露目できる日を楽しみにしております😌それまで暫しお待ちを…! (2022年2月16日 21時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
黒 - ギャル夢めっちゃ好きです!!🥺鼻毛太郎さんがかく百鬼夜行楽しみです😚 (2022年2月16日 17時) (レス) id: ab6a15c201 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あーさん» 頭いいなんて言われてだいぶニマニマしてます😎とはいいつつ、本人は過去に適当に張った伏線のおかげで矛盾だったり色々苦しめられているんですけどね!!笑皆さんが読んでくれれば私は嬉しいんです🥺素敵なコメントありがとうございました!🌸 (2022年1月31日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月27日 22時