033：一徹無垢 ページ33
Aは自身のウェーブがかった金髪を指で弄びながら続ける。
｢この界隈で誰が偉いとか、私未だによく分かってないんだよね。それでも、一つだけは確実に分かる｣
指を跳ねさせ、髪から解く。
そして、声を大きくし言った。
｢ばっっっかじゃねーの？｣
甚爾は呆気にとられていた。
あまりにも予想外の言葉だ。
｢地位とか名誉とか強さとか、人間の時点で死んだらただの肉塊だよ？全部一緒じゃん。ウケる、何様のつもりで差別し合ってんだよきっしょ〜〜、暫く私に喋りかけんなって感じ｣
JKのガキでも分かるっつーの、とAは付け足す。
｢オッサン、私とそいつら一緒にすんなよな。きしょすぎ、鳥肌なんだけど｣
大袈裟にAは両肩を抑え、凍えるふりをした。
甚爾は暫くぽかんとし黙っていた。
いや、言葉が出なかった。
なんだコイツ、頭のネジ逝ってんのか？とまで思った。
このAという人間の中では、どんなに偉い奴や強い奴…それはきっと犯罪者にまで及ぶのだろう、全てが自身と同じ立ち位置に見えるのだ。
思想が違うだけで中身は一緒じゃない、と。
甚爾は探る様に言葉を返す。
｢お前それ、俺が人殺してても同じって言えんのか？｣
｢うーん、私は人が殺してるとことか見た事ねぇからなぁ…でも、人間なのになんで人間殺すの？とは思わないよ。マジ愚かな行為とは思うけど、人間って常に奪い合う生き物じゃん｣
難しいこと考えんの苦手、とAは呟きながら言葉を続けた。
｢わっかんない。大体、オッサンが人殺しかどうかとか知らねーし。っつーか、確証ねぇし｣
｢殺すよ、人を｣
｢つまんねー嘘つくなよ。オッサン、人を殺せるような人間に見えないけど｣
暫く甚爾とAは無言のまま見合った。
先に目を離したのは甚爾。
ぷっと吹き出すように笑うと、大きく骨ばった手でAの頭をわしわしと掻き混ぜた。
案の定、Aは｢うわっ、何すんだよオッサン臭くなる！！｣と手を払おうとしたが、それでも甚爾は笑いながら撫でていた。
｢お前、ほんっとアホだなぁ｣
ヒィヒィ言いながら、甚爾は笑っていた。
本当は撫でられるなんて子供っぽくて嫌だったが、甘日にも甚爾が楽しそうに笑っているのでAは暫くして渋々と受け入れた。
甚爾がなぜここまで笑っているのかは、最後まで分からなかった。
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鼻毛太郎(プロフ) - ぱぴこさん» コメントありがとうございます🙌🤍強くてかっこいいクズが好きなのでこの結果なのですが、気に入っていただけたならばとても嬉しいです…！是非、引き続き楽しんで頂けたら幸いです＾＾ (1月21日 2時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - パパ黒かっこよすぎ (1月21日 0時) (レス) @page34 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 黒さん» コメントありがとうございます！🙌裏側ではいつかに向け百鬼夜行をちまちま書き溜めておりますので、いつか皆さんにお披露目できる日を楽しみにしております😌それまで暫しお待ちを…！ (2022年2月16日 21時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
黒 - ギャル夢めっちゃ好きです！！🥺鼻毛太郎さんがかく百鬼夜行楽しみです😚 (2022年2月16日 17時) (レス) id: ab6a15c201 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あーさん» 頭いいなんて言われてだいぶニマニマしてます😎とはいいつつ、本人は過去に適当に張った伏線のおかげで矛盾だったり色々苦しめられているんですけどね！！笑皆さんが読んでくれれば私は嬉しいんです🥺素敵なコメントありがとうございました！🌸 (2022年1月31日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年12月27日 22時
