015:一騎当千 ページ15
口元に傷のあるオッサン。
オッサンは、夜蛾よりも随分若いしカッコイイ顔をしているが、Aからして見れば自分より歳上の男は皆オッサンなのだ。
オッサンとの関係は一体…というのは後で話すとして、さてこの状況どうするか。
Aは、オッサンの顔を見上げ顔を顰める。
「女っての訂正しろや、オッサン」
「どんだけ融通効かねーんだよ。あー分かった、じゃあヤらせろ。そしたら体の関係イコール俺の女。はい完結」
「しねーよ種まき親父ッッ!!」
私を離せセクハラ親父、と胸板を押すのだが、なんて力だビクともしない。
離せ、無理、と言い合う中置いてけぼりを喰らっていた男の一人が、ついに癇癪を起こした。
「だああぁぁぁああもう、ごちゃごちゃうるせぇぇええ!!!オッサンだろうが、女だろうが関係ねぇ!俺はAに用があるんだ、引っ込んでろクソ野郎ッッ!!」
男が拳をオッサンの顔面狙いで振りかざした。
瞬間、オッサンがAをすかさず横抱きにする。
そして___
「テメェがうっせーよ」
男の顔面に蹴りを一発。
よくあがる足だこと。
オッサンの蹴りに、男は地面に倒れ込む。
見下ろせば、ぐるぐると目を回していた。
「で、コイツにまだ用があるってやつは?」
オッサンは、Aを横抱きにしたまま言った。
ギラつく瞳。
その瞳に睨まれてか、他の男たちは悲鳴もそこそこに蜘蛛の子を散らすよう逃げていった。
「ははっ、ざーこ」
オッサン。
もとい、伏黒甚爾。
オッサンの名前である。
____。
「A、お前もう高校生だろ。ヤらせろよ」
「脳みそバーナーで炙ったんか?焦げ目ついて支障来してるんとちゃいます?」
トントンと、自身のこめかみを叩く。
陽が落ちかけた街を歩きながら、横を歩く甚爾に言ってやった。
甚爾…っつーかオッサンは、ウチの寺でたまに泊まっていく。
母さんの知り合いらしくて、葬式で見たのが二回目。
一回目は、母さんが連れてきた。
そして、母さんが死んだと同時、やたらウチに来るようになったのだ。
何してるか知らねーし、変態だし、女子高生がなんたるかを全く分かっていない。
顔はかっこいいけど、クズだからプラマイゼロ。
っつーかマイナス。
「いつまで着いてくんだよ、オッサン」
「あ?お前の寺行く途中だったんだよ。喜べ、暫く一緒に居れるぞ?」
言いながら、腰を抱いてきた。
普通なら嬉しくない。
けど、今日は少し違った。
「…丁度いいわ」
「…?」
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鼻毛太郎(プロフ) - ぱぴこさん» コメントありがとうございます🙌🤍強くてかっこいいクズが好きなのでこの結果なのですが、気に入っていただけたならばとても嬉しいです…!是非、引き続き楽しんで頂けたら幸いです^^ (1月21日 2時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - パパ黒かっこよすぎ (1月21日 0時) (レス) @page34 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 黒さん» コメントありがとうございます!🙌裏側ではいつかに向け百鬼夜行をちまちま書き溜めておりますので、いつか皆さんにお披露目できる日を楽しみにしております😌それまで暫しお待ちを…! (2022年2月16日 21時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
黒 - ギャル夢めっちゃ好きです!!🥺鼻毛太郎さんがかく百鬼夜行楽しみです😚 (2022年2月16日 17時) (レス) id: ab6a15c201 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あーさん» 頭いいなんて言われてだいぶニマニマしてます😎とはいいつつ、本人は過去に適当に張った伏線のおかげで矛盾だったり色々苦しめられているんですけどね!!笑皆さんが読んでくれれば私は嬉しいんです🥺素敵なコメントありがとうございました!🌸 (2022年1月31日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月27日 22時