060：幼女、勧誘 ページ10
「毒なんてそんな無粋なものは入っていない。私達は、割かし“君には”友好的なんだ」
目の前の男が液晶にニコリと笑みを浮かべる。
貼り付けたような笑み。
「帰らないと」
「なぜ？」
ヴォックスが問う。
口を噤むA。無表情でそれ以上を悟らせぬ顔は何も言わない。
「君の保護者代わりが居ない今、君に帰る場所はないだろ」
目を細め笑うヴォックスの瞳が開かれる。
片目の奥が同心円を描いている。
気づくと、いつの間にか部屋の床はヴァレンティノの吐く煙に満たされて、淡い赤色の絨毯を作っていた。
「まさか、我々の城にやって来て、のこのこタダで帰れるなんて。そんな甘い話あるとは思っていないよな？甘いのは、フルーツタルトだけにしてほしいよ」
足首と手首にヴァレンティノの煙が巻きついている。
まるで錠だ。
「うちに来るといい」
「帰る」
「帰れると？」
「…」
口を噤んでしまうAにヴォックスは片目に同心円の渦を巻かせたまま、声のボリュームをあげていく。
「帰る場所が無くなったお前が、か？『ベビィ・ヒュドラ』であるお前が何故アレの言う事を聞く？地獄中を食い尽くせれば満足だからか？それとも＿＿＿＿、」
瞳を見つめすぎてはいけない。
「実の母親にかけられた魔法を、アイツなら解いてくれる
とでも思っているのか？」
何も悟らせぬ顔は何も言わない。歪まない。
人形のように表情ひとつ変えず、じっと男の言葉を聞いているかも怪しい。
「『元の姿にたった3分しか戻れない』魔法。今も元の姿を忘れないよう定期的に戻っているのか？我々の元に来い。あのラジオ野郎はもう待ったってお前の前には顔を出さない。自由になりたいんだろ？」
Aの前に差し出されたその手は、解放への明るい光か。深い沼地か。
Aは俯いた。
丸い両膝に、丸めた拳がちんまり載っている。
アラスター様の手と比べると、私の手って小さい。
敵地の中枢に連れてこられてるにも関わらず、Aは呑気に思った。
なんと言われてもいい。
どんな選択を迫られても、Aから出てくる言葉なんて最初から決まっている。
顔を上げるAの瞳と、ヴォックスの瞳が絡まったその時。Aの紫色の瞳の中で、瞳孔が縦長に膨らんだのをヴォックスは見逃さなかった。
「ヴァルッ！今すぐ拘束を解けッ！！」
ヴォックスの警告の叫び。
ハッとするヴァレンティノの目の前で、業火が巻き上がった。
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鼻毛太郎(プロフ) - 山田さん» コメントありがとうございます！🙌🤍❤️バレちゃいましたか…エンジェルが実はママのポテンシャルの方が高いことに……ぜひポルノスターとロリドラゴンの明らかに交わらない種の二人の科学融合も楽しんで頂ければ幸いです…！ (4月5日 17時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
山田(プロフ) - ここのエンジェルがお兄さんってよりお母さんすぎて…好き… (4月5日 16時) (レス) @page19 id: 0899aeffef (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ぷっつんプリンさん» 遊びに来て頂きありがとうございます！😭🤍大人にもなれます、みたいな展開にあんなこもやこんなことも出来るなぁと当人は呑気に考えております、、、作者としてはその妄想をぜひお聞きしたいところ…！笑今後もぜひ楽しんで頂けますと有難いです！ (3月28日 18時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぷっつんプリン(プロフ) - 遅刻致しましたが続編おめでとうございますm(._.)m早速拝見しました…幼女、まさか年齢操作できる系なの…？妄想が捗ります。続き待ってます (3月28日 18時) (レス) id: a63dbea87c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ミカン酢さん» コメントありがとうございます😂🙌2章初っ端、完全に脳破壊回となっていますが幼女とて悪魔ですので…こんなもんですよ…(？？？)とはいえ、全貌も明らかになっていない姿ですが、ぜひ正式公開される日を楽しみにしていてください😌 (3月19日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2024年3月18日 13時
