057：幼女、地獄耳 ページ7
首をヴォックスが振ると、ヴァレンティノは口の端を吊り上げて笑い「じゃあ、試さないとじゃないか」と言いのけた。
「案外、簡単に釣れるかもだぜ？それに、お前なら腐る程あのラジオを罵る言葉が出てくるだろ。ストレス発散にもなる」
余裕気な態度で言うヴァレンティノに、ヴォックスは確かにやらないよりはやった方がマシかと思い立った。
そして、咳払いをひとつすると、宛もなく大声で叫んでみたのだ。
「喋るしか脳の無いオワコンラジオ！！！負け犬アラスター！！！貴様のラジオなんぞ、この私のテレビに比べれば地に這い蹲る犬のクソも同然だ！！ハッ、七年目突入の隠居生活で怖気付いて戻っても来れないんだろあの、クソったれゴミカスゲボオワコンラジオデー＿＿＿＿、」
「アラスター様の悪口？」
二人の背後。
聞こえた舌っ足らずで抑揚のない少女の声に、二人は嘘だろと振り向いた。
小首を傾げて、確かにそこに居る小さな少女の姿。
頭には、一本だけ欠けているも立派な日本の角。
太い鱗張りの尻尾。
炎を思わせる赤い髪と宝石を埋め込んだような紫の瞳。
「本当に来たのかよ逆セコム」
思わずヴァレンティノが口走る。
ヴォックスはすぐさま現れたAと距離を縮めると、両脇に手を突っ込んで目線の高さに持ち上げた。
「今まで何処彷徨いてやがった、クソガキ！！」
今度こそリードをつけてやる。
敵陣に踏み込んでただで帰れると思うなと言わんばかりに、ヴォックスは瞳の中で渦を巻かせてAを見つめる。
きょとんと無表情を決め込むA。
しかし、ヴォックスに大声で詰め寄られた途端に、瞳をうるうるとさせ水膜を張り、そしてものの数秒で大粒の涙をポロポロと流したのだ。
これには、勿論ギョッとするヴォックス。
「だって、っ、おじさん、勝手にっ、いなくなっちゃったからぁ…っ」
ぺしょぺしょ、両腕で拭うもポロポロ零れる涙。
長いまつ毛だけじゃなく、服にも涙が染み込んでいく。
おや、珍しい。と、ヴァレンティノは物珍しげにその姿を眺めているのだが、ヴォックスはたまったもんじゃない。
居なくなったのはお前だろ。そう言ってやりたい気持ちを飲み込み、まぁたしかに。子供というのは、自由に動く生き物だなと自分に言い聞かせた。
「全く…」
溜息を漏らすと、ヴォックスはAを床に下ろし、目の前で片膝をついた。
「迷子になったなら、デカい声でも出せばすぐ来てやったのに。ほら、服の袖で擦るんじゃない」
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鼻毛太郎(プロフ) - 山田さん» コメントありがとうございます！🙌🤍❤️バレちゃいましたか…エンジェルが実はママのポテンシャルの方が高いことに……ぜひポルノスターとロリドラゴンの明らかに交わらない種の二人の科学融合も楽しんで頂ければ幸いです…！ (4月5日 17時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
山田(プロフ) - ここのエンジェルがお兄さんってよりお母さんすぎて…好き… (4月5日 16時) (レス) @page19 id: 0899aeffef (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ぷっつんプリンさん» 遊びに来て頂きありがとうございます！😭🤍大人にもなれます、みたいな展開にあんなこもやこんなことも出来るなぁと当人は呑気に考えております、、、作者としてはその妄想をぜひお聞きしたいところ…！笑今後もぜひ楽しんで頂けますと有難いです！ (3月28日 18時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぷっつんプリン(プロフ) - 遅刻致しましたが続編おめでとうございますm(._.)m早速拝見しました…幼女、まさか年齢操作できる系なの…？妄想が捗ります。続き待ってます (3月28日 18時) (レス) id: a63dbea87c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ミカン酢さん» コメントありがとうございます😂🙌2章初っ端、完全に脳破壊回となっていますが幼女とて悪魔ですので…こんなもんですよ…(？？？)とはいえ、全貌も明らかになっていない姿ですが、ぜひ正式公開される日を楽しみにしていてください😌 (3月19日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2024年3月18日 13時
