061：幼女、好きなこと ページ11
その様に、ヴォックスは元から青みがかった顔を更に青くさせた。
硝煙が部屋の中を埋めつくし、すっかりヴァレンティノが作った赤い絨毯を消し去ってしまっている。
げほ、と音が聞こえ、ヴォックスは煙の中へ目を凝らす。
微かだが、煙の奥で彼のシルエットが動いている無事らしい。
しかし、隣はどうだ。
「ちょっとびっくりさせただけ」
舌っ足らずで淡々としたあの声が、聞こえる。
ヴァレンティノの隣。いいや違う。その声は頭上から聞こえたのだ。
「クソガキィッ！俺のご自慢のタワーを焼け野原にするつもりか！？」
ヴァレンティノが額に青筋を立てながら煙を乱暴に払い、Aの姿を忙しなく探す。
ヴォックスは既にAの姿を捉えている。
首をもたげて天井へ目を向けるヴォックス。ヴァレンティノは、彼に倣って見上げた。
「あぁ！！？」
ヴァレンティノは声を上げる。
パタパタと体に見合ったサイズの羽をはためかせ、彼らの真上で浮くAの姿。
「パンツ見えてるから降りてこい！」
「や。えっち」
「おい、意外となんだ。そういう言葉言うのか。…録音して、メスガキ罵倒ＣＤでも出すか？」
「君はなんでもポルノ商売に結びつけるな。そういう芸人か」
真剣に商売を考え始めるヴァレンティノにじとりと目を向けるも、構っている場合ではとヴォックスはすぐに視線をAに戻す。
「このクソガキドラゴン…ッ」
「私、飛ぶことが好き」
突然切り出したAに、ヴォックスは片眉を上げる。
「だから、元の姿に戻るの。三分しか戻れないけど、でも大きい方が早く飛べる」
三。Aが小さな指を三本立てて言う。
「あと、美味しいものが好き。それと＿＿＿＿、」
無表情の奥でやはりAは何を考えているか分からない。
言葉を途中で詰まらせたのは何故だろう。何を考えているのだろう。
「人いっぱい。楽しい事が好き」
「楽しいことだと！？ここは、エンタメの聖地だ！この地獄にここ以外楽しいところなんてあるか！？」
ヴォックスは声を張り上げる。
Aは、とんと床に降り立ち大きな二人を見上げて「うん」と小さく頷いた。
「アラスター様の横」
次の瞬間には、Aは既に目の前から消えていた。
代わりに、階下を見下ろせる大きなガラス窓が割れ、風が吹き込んでいる。
ヴァレンティノは無論、その有様に怒号を上げたのは言うまでもないだろう。
「あのガキ、ちゃっかりフルーツタルト持っていきやがった！！！」
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鼻毛太郎(プロフ) - 山田さん» コメントありがとうございます！🙌🤍❤️バレちゃいましたか…エンジェルが実はママのポテンシャルの方が高いことに……ぜひポルノスターとロリドラゴンの明らかに交わらない種の二人の科学融合も楽しんで頂ければ幸いです…！ (4月5日 17時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
山田(プロフ) - ここのエンジェルがお兄さんってよりお母さんすぎて…好き… (4月5日 16時) (レス) @page19 id: 0899aeffef (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ぷっつんプリンさん» 遊びに来て頂きありがとうございます！😭🤍大人にもなれます、みたいな展開にあんなこもやこんなことも出来るなぁと当人は呑気に考えております、、、作者としてはその妄想をぜひお聞きしたいところ…！笑今後もぜひ楽しんで頂けますと有難いです！ (3月28日 18時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぷっつんプリン(プロフ) - 遅刻致しましたが続編おめでとうございますm(._.)m早速拝見しました…幼女、まさか年齢操作できる系なの…？妄想が捗ります。続き待ってます (3月28日 18時) (レス) id: a63dbea87c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ミカン酢さん» コメントありがとうございます😂🙌2章初っ端、完全に脳破壊回となっていますが幼女とて悪魔ですので…こんなもんですよ…(？？？)とはいえ、全貌も明らかになっていない姿ですが、ぜひ正式公開される日を楽しみにしていてください😌 (3月19日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2024年3月18日 13時
