585:ギャルと覇者 ページ35
外が白みを帯び始める。
明けていく空が彼らを薄く照らす。
佇んだ虎杖は、伏黒に訊ねたあと、彼の言葉を聞く前に乙骨へと声をかけた。
「乙骨先輩。二つだけ聞いてくれ。宿儺は、伏黒で何か企んでる。もし万が一俺が乗っ取られた場合は、迷わず俺を殺してくれ」
「分かった。死力を尽くすよ」
「それと、宿儺はよく分からんがAに執着してる。何か企んでるとか、手を出すって感じは正直ないんだけど、Aの何かを知っている。アイツの事だ、十中八九まともな事じゃない」
「Aさんに何かあれば…ってことだね」
乙骨の言葉に、虎杖は頷いた。
どちらにせよ、宿儺に関わっていい方向に転ぶなんてことは無いと思っている。
頼み残したことはもうない。
改めて、虎杖は伏黒へと顔を向けた。
「実は、俺が出ていく前にAと少し話したんだ。その時、Aは暫く単独行動をすると言ってた」
「家入さんの話だと、やることと調べたい事があるって俺は聞いた」
「やることと調べたい事か…」
伏黒の言葉に虎杖は首を捻る。
Aは話を聞く限り、恐らく自分たちの一歩先を行っている。
調べたいこともやることも、到底こちらが考えそうなことは既に終えているのかもしれない。
沈黙が思案により埋まる中、ふと虎杖が顔を上げた。
「Aが、その死滅回游っていう殺し合いに参加してるのは分かったんだけど、具体的には何してるとかは二人は知ってんの?」
訊ねられた言葉に、微かに二人の顔が曇ったのが分かった。
切り出したのは乙骨だ。
「…僕達が今後探りたいのは、獄門疆の封印の解き方と加茂憲倫の具体的な目的と今後の出方なんだ」
「そのためには、高専に戻って天元様と接触する必要がある。事態収拾には乙骨先輩の言う二つがマストだ。これに関しては、Aさんも目的は同じだろ」
「…じゃあ、どうして」
二人の顔が曇る理由はどこにあると。
虎杖は、不思議がって二人の顔を見比べる。
すると、乙骨が重そうに口を開いた。
「聞いた話だから詳細は不明なんだけど、死滅回游は各地に結界が点在していて、その中の人間達が
「それがAとどう関係が?」
更に虎杖が訊ねると、乙骨は真剣な顔で言った。
「Aさんは既に、結界を一つ陥落させているんだ」
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鼻毛太郎(プロフ) - コメントありがとうございます!!完結する…のか…?と半ば本人が思っておりますが、パワーで何とか!終わらせます!!笑笑こちらこそ、今後もよろしくお願いいたします!!🙌😭🙇♀️ (3月16日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
だあれ(プロフ) - 1話から全部読んでます!!完結するのを楽しみしています。これからもよろしくお願いします(^人^) (3月16日 17時) (レス) @page50 id: 50e5576588 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - shinox2さん» 早いもので、正確に言うと今年の11月で4年目になるらしいです。どんだけ書いてんだよと思ってます😂 そんな本作ですが、本誌が今年で終わるというのでついに完結をうちも迎えるかもという…感慨深いものです…。ぜひぜひ、最後まで着いてきてくだされば嬉しいです!! (2月2日 8時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 12章完結おめでとうございます!!もう3年ですか?!そんなに経ってる気がしないです笑。呪術本誌追えてないですけど、鼻毛太郎さんの作品は追って行きます!!! (2月2日 0時) (レス) @page50 id: 9a8c06c139 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 無印さん» マインドに関しては五条をも凌駕する最強ギャル堪能して頂き誠に感謝です😭🙌混沌とする本編、まだまだギャルのギアは上がり続けるのでぜひお楽しみに!!🤍 (11月9日 8時) (レス) @page19 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2023年9月25日 8時