020： なんだその顔は ページ21
だが、彼との付き合いは正直言ってあれ以降かなり長くなってしまった。
言った通りすでに三年が過ぎようとしていて、彼は悲しくも私から言わせれば一応友人の位置に存在している。
そう呼びたくはないが、なんというか友人兼お悩み相談所というか。
こんな男だが、結論から言えばあの出会った日から変わらず、彼は私の悩みを文句言わず聞いてくれる優男ではあったりする。
って…、なんで気づけばこんな気色悪い男を褒めることになっているんだ…！！
はッ、と気づき現実に引き戻されれば、目の前ではもっと異常なことが起ころうとしている。
ヒソカ君の目がスッと細くなり、口元には怪しいニッコリとした笑みを浮かべているのだ。
悪い笑みだ。
まるで狐が化かす時のように、悪い企みを考えている笑み。
そんなはずはないのに、心の中を見透かされてその事を現在進行形で喜んでるという顔。
この顔を彼がしたとき、いいことが起こった試しがない。
早々にコイツから逃げるべきだ。
「私見ての通り疲労困憊なの。さっさと実家に帰らせていただきます。」
彼の横をさっさと通りぬけ、その先の道をつかつかと歩き始める。
周りの人間が奇怪な二人を見て、距離を置き遠巻きで眺めている。
だが、そんなこと気にしない。彼と居ると、注目されることなんて日常茶飯事だ。
長い髪を振り払い、悠々と歩く私の背中にヒソカ君の声が投げられる。
「まだ会って対した時間も経ってないのに、このボクが君をただで返すなんてそんな惜しい事すると思うかい？いや、出来ないね♤」
はぁ？と、私はその戯言に振り向く。
すると、彼はその振り向きを待ってたと言わんばかりに私へと腕を広げた。
「ね、A…おいで？」
「おいでって、ヒソカく＿＿＿＿＿、」
何言ってんだテメェは。と片眉を上げ最後には「ティッシュで首吊って死ね」と吐き捨ててやるつもりだった。
というのに、なんだそのお前の顔は。
今度はいつもとは違う顔だ。
あの何を企んでいるのか分からない狐顔じゃない。
彼の元のいい素材を大いに生かした、爽やかで優しげで甘やかしてあげるよとでも言うかのような顔。
思わず、ぐっと言葉を飲み込む。
ッ……何よ、その顔は…
急に優しくなって…ッ
ちょっと、落ちそう……とは思わない。絶対に。思わない。
「そんな顔しても無駄よ無駄。」
鼻で笑い振り切る。
筈だった。
ごくり。
顔を戻そうとした瞬間気づく。
私の片肘にくっついたそれ。
ピンク色をした伸びる何か。
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
