10:花魁 ページ12
霧里「Aさん、緊張してはる?」
A「は、はい…」
遂に花魁の仕事の日がやってきて、私は霧里さんに着付けと化粧をしてもらっていた。
今日来るのが鴨さんだと分かっていても、慣れない花魁の着物姿にソワソワしてしまう。
霧里「ふふ…鴨さんがお相手の時は、私のような言葉遣いは真似しなくて大丈夫でありんすから。」
…他の方がお相手の時は、真似しないといけないのか。
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それから程なくして鴨さんがやって来て、
遊びに来たわけじゃねぇから、と
私達は普通に談笑していた。
(…この言い方だと、やっぱりたまに遊びに来てるんだな、と思ったことは秘密。)
鴨「…それで、今日は"あいつ"も居るのか?」
"あいつ"と言うのは、高杉さんの事だろう。
霧里「えぇ、先程お見掛けしましたので…。」
鴨「そうか。…A、顔は分かるか?」
A「ぼんやりとは、覚えていますけど…」
確か…赤い髪飾りの様なものを付けていたはず。
鴨「それじゃ、今日は何も探らなくていいから、
不審に思われないように"あいつ"を探してこい。」
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不審に思われないように、と言われても…
まだこの着物に慣れておらず歩き方もぎこちないため、
素面のお客様達にはおかしいと思われる気もするんだが…
そんな事を考えながら廊下を歩いていると、
突き当たりの角から、高杉さんらしき人物が曲がってきた。
表情を崩さぬ様に、横を通り抜ける。
高杉「…ふっ。」
A「!」
気付かれてしまったのかと思い、少し間を空けてから振り返るも…
既に高杉さんの姿は無かった。
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まひろ(プロフ) - いえいえ!私もイケメン幕末大好きなので!!この小説にであってよかったと思ってます! (2018年1月23日 16時) (レス) id: f47c06bc73 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - まひろさん» まひろ様、コメントありがとうございます(o^^o)そう言っていただけると嬉しいです! (2018年1月22日 23時) (レス) id: f35332ebbf (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - すごく良い小説ですね!応援してます。 (2018年1月17日 18時) (レス) id: f47c06bc73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃ | 作成日時:2017年9月22日 0時