頑張って青春しようとしてるのにあいつらが邪魔すぎて【歌い手】

10点 ページ12

夢主side

志麻兄の家は綺麗だった。
黒で統一された家具の中に所々緑や赤、紫に黄色が映えていて
センスの良さを痛感した。

志麻「小春、お風呂入ってきな？大丈夫、覗かないってば。」
『分かった。入ってくるわ。』
志麻「おん」

志麻兄に促され私はお風呂へ入っていった。

ちゃぽん

体を洗い終わり、湯船に浸かる。
くるりと方向を変え見てみるとシャンプーの種類とかがやっぱり男の人なんだな、って思う。
めっちゃスースーしたし。

お風呂に入ると必ず見えてしまう傷痕は生々しいけど、仕方ないか。

お風呂を出ると…

『志麻兄出たよ〜。…って、え？！』

￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
志麻side

小春をお風呂に入れてから数分後、センラが来た。

千良「志麻くん〜お邪魔しますね〜。」

のんびりと言いながら入ってきたセンラは俺より身長が10cmも高い。
お蔭で年齢が逆に見えてしまう。

千良「今日は妹さんきてはるんですよね。」
志麻「せやけどどした。」
千良「妹さんてどんな人ですか？」
志麻「あー、お前と同じ学年だと思う。今日入学式だったし。」
千良「うーん、志麻くんの妹らしき人物は見てないですけどね〜。」

がちゃ

『志麻兄出たよ〜。…って、え？！』

千良「え、小春やったん？！」

『志麻兄の友達ってセンラくんだったん？！』

同時にこっちを見られましても、何やけど。
そんなに慌てることかな。

志麻「おん、小春俺の妹。血繋がってねぇけど。」

そして俺は経緯を話した。
時間ねぇから掻い摘んでだけど。

千良「成る程。そういう訳やったんですね。」
志麻「そそ。あ、晩飯食うか？」
『食べる！』

それから俺たちは今日の出来事や他愛のない話で盛り上がっていた。


暫く話し続けた所で小春がうとうとしてた。
目がとろんとして、欠伸を頑張って我慢してた。

(それは反則やぁ…)

心の中で悶えながら俺は寝るのを促す事にした。

志麻「なぁ、小春眠いんじゃね？寝てきー。」

『うん…分かった。おやすみ、志麻兄、センラくん。』

そう言っていつも使ってる豚のデカいぬいぐるみ兼抱き枕を持って
寝室へ向かっていく小春を見届けた後、思い出した。

志麻「あ、やべ。俺寝るとこねぇわ。」

来客用の布団は一枚だし、ベッドは小春が使ってる。
ソファで寝るしかないか。

千良「僕ソファでええですよ。」
志麻「いや、来客をソファで寝かすわけにはいかないから、俺ソファで寝るわ。」

その後、暫く雑談してから各々眠りについた。

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