甘いね【枢木睦月】 ページ10
私は今、自分の家でレシピをみながらお菓子作りをしています。なぜかって？理由は簡単だ。突発的に甘いもの、とりわけケーキのようなクリームを沢山使った甘い物が食べたくなったからだ。
私の彼氏は料理がとても得意で、時々お弁当とかも作ってくれたりする。彼女である私の心境は嬉しいけど複雑だ。だって私の数段女子力が高いんだもん。
なんだか悔しくなって私が料理を作ろうとするとやんわり止められて気づけばとても美味しそうな料理をご馳走になっている。悔しい。悔しすぎる！
ので、バレないように自宅で作っているのだ。
「早く焼けないかな〜」
上機嫌にスポンジの焼き上がりを待っていると、インターホンが部屋中に鳴り響いた。まずい、睦月だ。睦月が来たぞ。奴はいつでも突然くる。事前連絡なんてものは一切無しだ。
普通なら彼氏の来訪は喜ぶべきなのだろうが、ここで家に入れたら確実に手伝われる。手伝われる=手際の良さを見せつけられる=悔しい。
でも睦月は部屋に入れなければ相当拗ねる。引っ付いて離れなくなって果てには皐月仕込みのいたずらをてんこ盛り。自分のプライドと実害を天秤にかけた末やっぱり実害の方が重かったのでゆっくりインターホンに応答する。
「もう、遅いよ。すぐに出てよ、A。」
「私にも色々と葛藤があるんだよ。今鍵開けるから待ってて。」
なんと、この数十秒の間に相当拗ねていた。考えていた時間は10秒程度だったと思うのに。玄関の鍵を開けるとコンマ1秒くらいの速さでドアが開き、思い切り抱きしめられる。
「すぐ開けてよ。」
「すぐ開けたってば。」
「15秒かかったよ。」
「リビングから歩いてきたらそのぐらいかかるよ！」
「走って」
なぜか輪に掛けてワガママで不機嫌な私の彼氏さんはリビングまで移動する時もずっとふくれっ面で私に抱きついている。
リビングのドアを開けると生地の焼ける香ばしい匂いがする。もうバレても仕方ないや……
「なに作ってたの？」
「ケーキ。」
「作るなら呼んでよ。手伝うのに。」
「……そ、その手伝われるのが悔しいの……」
震える声で反論すると、さっきのふくれっ面からうって変わってにこにこした顔になる。くそう、腹立つ。
「ふふ、手伝われるのが悔しいなんて可愛いね、A？」
「うー……これだから言うのも嫌だったのに……」
「あはは、でも俺が来たから手伝ってあげる。すぐに開けてくれなかったお返しだよ。」
それは報復というやつだろうか睦月……
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時雨(プロフ) - おもちさん» おもちさんこんばんは！性癖に刺さったようで嬉しいです！自己満小説ですが今後ともぜひともよろしくお願いします！リクエスト承知致しました！近日中に確実にアップ致しますね！ (2019年10月2日 22時) (
レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 微ヤンデレ睦月びっくりするくらい性癖に刺さりました、、新米プロデューサーが夢女で星夜と休日に二人でお出かけに行くお話が見てみたいです！その時点では付き合ってないとより私得です。お時間がある時で結構ですので楽しみにしてます！！ (2019年10月2日 22時) (レス) id: 3791096174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時雨 | 作成日時：2019年8月29日 0時
