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嫌いって言ってみた【枢木睦月】 ページ6

私は普段雑誌を買うような人間ではないのだが、彼氏がたまたま雑誌の表紙に抜擢されていたのでコンビニに行った際に思わず買ってしまった。我ながら彼氏には甘々だな……

と、その雑誌の中に「嫌い」と言ってみた時の反応で相手の自分への愛情度合いがわかる!と書かれていた。……これは今隣で座って船を漕いでいる彼氏に聞いてみるしかない。

「睦月、睦月ー。」
「んー……なに……?A……」

……よし。気が引けるけどやってみないと。

「あのね、こんな所で言うのもアレなんだけどね、私、睦月のこと嫌いかも……」
「……」

私がそう告げると、睦月はじっと私の両目を見つめて、少し目を細めた。

「……嘘でも、そんなことは言っちゃダメだよ?」
「え……?」
「俺、Aの言うことが本当かどうかなんてすぐに分かるよ。だから今のは嘘。Aが俺の事嫌いなんて有り得ないから。」

一見柔らかい微笑みをたたえているかのように見えるが、瞳の奥は笑っていない。しまった、怒らせた……!

「えっと……その、嘘ではあるけど……」
「じゃあどうしてそんな嘘ついたの?」
「……ざ、雑誌で読んだから……」

こうなったらこれ以上怒らせないようにするのが最優先だ。大人しく雑誌を手渡す。

「これ、俺が表紙やってるやつだよね?ふふ、こんなの持ってるのに俺に嫌いって言うの?」
「う……」
「ふふ、可愛い…………あ、これ?嫌いって言った時の反応で相手がどのくらい自分のことが好きかわかるって……」

睦月は占いとか信じないタイプだから笑われそうだけど……睦月は無言でその記事を読み進める。そして読み終わったのか雑誌を横に置いて、私をぎゅっと抱きしめた。

「こういうのでAが俺のことを気にしてくれるのはすごく可愛いと思うし、嘘だってすぐにわかったけどちょっと傷ついたかな。」
「ごめん……」
「だからこれからは代わりに好きって言って?そしたら俺もたくさん好きって言ってあげる。ね?」

いつもよりも強く抱きしめられる。やっぱり少し不安にさせちゃったかな。

「睦月、好きだよ。」
「ふふ、俺も大好き。」

結局すぐに見破られてしまったけど、睦月が何度も私に大好き、って言ってくれたから幸せです。

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時雨(プロフ) - おもちさん» おもちさんこんばんは!性癖に刺さったようで嬉しいです!自己満小説ですが今後ともぜひともよろしくお願いします!リクエスト承知致しました!近日中に確実にアップ致しますね! (2019年10月2日 22時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 微ヤンデレ睦月びっくりするくらい性癖に刺さりました、、新米プロデューサーが夢女で星夜と休日に二人でお出かけに行くお話が見てみたいです!その時点では付き合ってないとより私得です。お時間がある時で結構ですので楽しみにしてます!! (2019年10月2日 22時) (レス) id: 3791096174 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作成日時:2019年8月29日 0時

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