検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:4,845 hit

つづき ページ45

「プロデューサー、待ってたよ。」

手を繋いで、愛おしそうな目をしたその子。……枢木睦月くん。

「プロデューサーが寂しいって言うから……俺、プロデューサーに寂しい思いさせたくなくて呼んじゃった。」

睦月くんは隣に座る私を優しく抱き寄せた。体温も、心音も何もかもが私を惑わせる。

「学園、綺麗でしょ?俺たちで掃除したんだ。プロデューサー……んん、Aさんが来るから……」
「初めから、私を呼ぶ気で……?」

私がそう聞くと、睦月くんは満足そうにニッコリと笑った。

「もちろん!でも無理やり連れてくるのは良くないと思って……Aさんが俺に会いたい、寂しいって思ってくれるまで待ってたんだ。」

お利口さんで待てたよ、褒めて。と睦月くんは笑う。睦月くん越しに見えた空に、私の部屋が映る。

「あ……!」
「ん?……もう、ダメだよ。……というか無理だよ。もうあっちには帰れないし……俺が絶対返してあげない。」

見上げた睦月くんの目は暗く澱んでいる。けれど瞳の奥には確かな愛情を湛えて、まるで自分の恋人に微笑むかのように美しく笑っていた。

「Aさん、俺が目を離したらどこか行っちゃうよね?そんなのダメ。許さない。俺の目の届くところにいないと。」
「そんな事しない!どこかに行くなんて……」
「無理でしょ?Aさんは俺たちの他に色んなもの見てたもん。俺たちずっと見てたよ?だから分かるの。Aさんは俺の目の届くところに居させなきゃダメって。」

ちゅ、と触れるだけのキスをされる。

「それに、寂しいなら一緒にいてあげないと。」

その瞬間、映っていた部屋はバツンと消え、何事も無かったかのように青空が広がった。

「さ、プロデューサー……帰ろ?俺たちのお家に……」

私は、この現実を受け入れて生きていくしかない。もう二度と元の世界に戻れないことを。



「逃がすと思った?プロデューサー。死ぬまで俺とずっと一緒にいようね。……ふふ、でもここにいる限りはずっと歳も取らないんだけど……」



「あ、そうだ!じゃあ永遠に一緒だね、プロデューサー!」

真夏の暑さ【枢木皐月】→←逃がすと思った?【枢木睦月】※人によっては注意



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.8/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
設定タグ:アイ★チュウ , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

時雨(プロフ) - おもちさん» おもちさんこんばんは!性癖に刺さったようで嬉しいです!自己満小説ですが今後ともぜひともよろしくお願いします!リクエスト承知致しました!近日中に確実にアップ致しますね! (2019年10月2日 22時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 微ヤンデレ睦月びっくりするくらい性癖に刺さりました、、新米プロデューサーが夢女で星夜と休日に二人でお出かけに行くお話が見てみたいです!その時点では付き合ってないとより私得です。お時間がある時で結構ですので楽しみにしてます!! (2019年10月2日 22時) (レス) id: 3791096174 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:時雨 | 作成日時:2019年8月29日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。