つづきのつづき ページ37
そこまで褒めて貰えると、夜遅くまでかけて作った甲斐があったなぁ。なんて思ってしまって。
2人ともあっという間に食べてしまった。すごく満足そうで、その顔を見れば見るほど私も満ち足りた気分になる。
「……あ、大事なこと忘れてた。」
「え？」
「はい、これ。」
睦月くんが机の上に置いたのは小さな赤いハートの箱。キラキラした水色のリボンがかけられている。
「これって……」
「バレンタインだよ。逆チョコってやつ。」
「ありがとう、凄く嬉しいよ。」
私がその箱を受け取ろうとすると、ずいっと視界にもう1つ箱が入ってくる。
「……あ、結局渡すんだ、皐月。」
「……む、睦月にばっかりいい思いさせたくないし……」
「……ふふっ」
渡した人は皐月くんだった。同じく赤色の四角い細長い箱には小さくハートが描かれていて、ピンク色のリボンが結ばれていた。
「……これ。Aにあげる。」
「ありがとう、皐月くん。大事に食べるね。」
「睦月と違って既製品だけど……でもちゃんと真剣に選んだからな！」
「あはは、わかってるよ。本当にありがとう。」
ちょっとだけ赤くなってる皐月くん。彼が天邪鬼なことは昔から知ってるし、彼の言葉の真意も睦月くんほどではないけど分かっているつもりだ。
「Aと俺たちは付き合い長いもんね〜。……じゃあさ、このチョコの本当の意味も……わかるよね？」
「本当の意味……？」
「……これだけ分かりやすくやってんだからさ、わかってもいいと思うんだけど。」
そう言われたので手元の箱を見てみる。ハート、ピンク……見ながら考えていたところで、ふたつの箱の裏側、底のところに何かカードがあった。裏返してみると、ふたつのカードの書いていることは同じだった。
「大好き」
いつもの丸っこい文字でそう書かれていた。……私も、そこまで鈍くないのでこの箱とこのカードが意味することは分かった。そして、それがわかった瞬間顔に熱が一気に集まった。
「……っ、こ、これって……」
「気づいた？そう、そのチョコは本命チョコなんだよ？」
「ほ、ほんめい……」
睦月くんは私の手を取り、童話に出てくる王子様のように手の甲にちゅっとキスをした。こんなことをされたのは初めてで、顔がどんどん熱くなる。
「もう幼なじみなんかじゃ収まらないくらい大好きなんだよ、A。」
「む、睦月く……」
「これは嘘じゃないよ。本気。ねぇ、俺の想い……受け取ってくれる？」
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時雨(プロフ) - おもちさん» おもちさんこんばんは！性癖に刺さったようで嬉しいです！自己満小説ですが今後ともぜひともよろしくお願いします！リクエスト承知致しました！近日中に確実にアップ致しますね！ (2019年10月2日 22時) (
レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 微ヤンデレ睦月びっくりするくらい性癖に刺さりました、、新米プロデューサーが夢女で星夜と休日に二人でお出かけに行くお話が見てみたいです！その時点では付き合ってないとより私得です。お時間がある時で結構ですので楽しみにしてます！！ (2019年10月2日 22時) (レス) id: 3791096174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時雨 | 作成日時：2019年8月29日 0時
