息抜き俺得短編集【アイチュウ】

つづき ページ31

「起こしてくれてよかったのになー。」
「だって朝から収録で疲れてるでしょ？前生放送は余計疲れるとか言ってたし。」

起きた皐月くんは不満げに頬を膨らませてそっぽを向いてる。どうやら私が起こさなかったことに不機嫌になってるらしい。

「だって、せっかく誕生日なのに寝てたらなんか勿体ないし！それに……」
「それに？」
「……それに、Aと過ごす時間減るし。」

ちょっと恥ずかしそうに目線をそらしながら皐月くんはぼそりと呟いた。それがあまりにも可愛くてついつい感極まって抱きついてしまった。

「なっ！い、いきなり抱きつくなよ！」
「だって皐月くんがそんなこと言うのすごく可愛かったから……」
「か、可愛い言うなし！」

可愛いって言ったら怒るのは知ってるけど……やっぱり皐月くんはとっても可愛い。

「……でも、Aがこうやって抱きしめてくれるのは悪い気しない……かも」
「えへへ……誕生日ケーキもあるけど、これも誕生日プレゼントってことで！」
「ふーん？じゃあ遠慮なく貰っちゃおっかなー。」

ちゅっ、と軽快な音。キスされたのだとわかると熱が一気に顔に集まる。真っ赤になった私を見て、皐月くんはいしし、といつものいたずらっ子のような笑顔になる。

「……お誕生日おめでとう、皐月くん。」
「へへっ。サンキュー、A！Aに祝ってもらえて最っ高に嬉しいし！」

その後、一緒にケーキを食べて色々お話とかをした。今日の収録前に色んな人からプレゼントを貰った話とか、今日が誕生日だからといきなりマイクを向けられてちょっと困った話とか。聞いててすごく楽しかった。

「良かったね、色んな人から祝ってもらえて。今日の皐月くんすごく楽しそう。」
「そりゃあ色んな人から祝ってもらったのも嬉しいけどさ、Aが祝ってくれたのがいちばん嬉しかったし！オレ、今世界一ハッピーだし！」



皐月くん、お誕生日おめでとう！すごく大遅刻ごめんね！！初めは推しになると思ってなかったけど、皐月くんの可愛いところとか本当はすっごく優しいところとかに触れてああ、推せるなぁと思ったことがいっぱいあったよ。本っ当に君に会えてよかった！これからもずっと推していくからこの先もずーーーっとよろしくね！！！！

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