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つづき ページ25

「ねぇ、A……俺の全部をあげるから、AはAの全部を俺にちょうだい?……いや?」

隣で私に体を預けて縋るような声でそう訴えた睦月くん。震えた声、涙混じりの声に私の情は揺らいでしまった。

「睦月くん……もちろんだよ、私は睦月くんのことが大好きだから……。たとえどんな形でも、私は受け入れるよ、睦月くんのこと。」
「うん……。ふふ、よかった……」

睦月くんはぎゅっと私の腕を抱きしめる。その後すぐに心地よい寝息が聞こえ始めた。

「……もう、仕方ないなぁ……」


柚希さんに連絡し、事情を説明した。すると案外あっさり「そんなところだろうと思った」という返答がきた。柚希さん曰く睦月くんの意思を尊重してあげて欲しい、という事だったので資料を柚希さんに預かってもらうということでとりあえず事は収まった。
とはいえ、今時間は夕方の4時を回ったくらい。すぐに日も暮れてしまうだろうから、早めに帰らないと。

「睦月くん、睦月くん。起きて。そろそろ帰るよ。」
「……A。」

睦月くんは私の名前をぼんやりと呼ぶと、頬に手をかけキスをした。長い間親しい仲ではあったけれど、こんなことは初めてだった。

「大好きだよ。A……。俺のA……。」
「も、もう……そういうのは恥ずかしいって……」
「かわいいなぁ、Aって。ふふ……ずっと一緒にいようね。」

睦月くんはにっこりと満足そうに笑った。その顔をみて色々なことがどうでも良くなってしまうあたり、やっぱり私は睦月くんに甘いのかもしれない。でも、それでもいいのかも。それが幸せだから……


知ってるよ、Aが情に流されやすいこと。
わかってるよ、Aが俺に甘いこと。
だから、そこにつけ入るんだ。
俺は案外わがままだから。悪いとは思っているけれど、Aのことが欲しいから。気を引きたいから。大好きだから君につけ入る。心の中を俺でいっぱいにして、俺の心もAでいっぱいにして。
そして、二人っきりでずっと、ずーっと一緒にいよう?
なんて、バレちゃったら嫌われちゃうね。でも……嫌われても離してあげられないな。


「睦月くん、帰ろっか。」
「うん。今日の夕飯は何にする?」

今日もまた、俺の中は君でいっぱい。

幸せ Next to you!【枢木皐月】→←独占欲のその先は【枢木睦月】(微ヤンデレ?)



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時雨(プロフ) - おもちさん» おもちさんこんばんは!性癖に刺さったようで嬉しいです!自己満小説ですが今後ともぜひともよろしくお願いします!リクエスト承知致しました!近日中に確実にアップ致しますね! (2019年10月2日 22時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 微ヤンデレ睦月びっくりするくらい性癖に刺さりました、、新米プロデューサーが夢女で星夜と休日に二人でお出かけに行くお話が見てみたいです!その時点では付き合ってないとより私得です。お時間がある時で結構ですので楽しみにしてます!! (2019年10月2日 22時) (レス) id: 3791096174 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作成日時:2019年8月29日 0時

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