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紅十七葉 ページ18

そこから、刻々と時間は過ぎていった


気づけば辺りは薄暗く、遠目に街の明かりがよく見えた。






 




 









月明かりが二人を照らす_______...




 







『...もう、行かなきゃ』







「!...」




 



Aがゆっくりと立ち上がったことに幻太郎は小さく反応する
そしてゆっくり幻太郎も立ち上がる






ついに...別れの時が来てしまった......




 





『...』

「...」






二人は終始無言になり顔をそらす


そして二人同時に月を見た



 









『...幻太郎』





 

「...なんですか?」








『こんな...







こんな【ありふれた幸せ】が...本当の”幸せ”だったなんてねっ...』


 





「!...えぇ、ほんとに...っ」




 




『今思えば、こんなにも素敵なものだったんだねッ...



もっと早くッ...気づいとけばよかった、なぁ...』








Aは幻太郎の手を握りながら、片手で先程たくさん流したにもかかわらずどんどん溢れ出てくる涙を拭った。




 








『...ねぇ幻太郎』



 



「なんですか?」




 




『私ね、幻太郎との忘れられない思い出、たくさんあるからねっ



忘れたくても忘れられない...忘れたくない、大切な思い出』






 


「っ、小生もです...

小生も、あります...!




Aっ...あなたとの、大切で素敵なッ...忘れられない思い出が!」







 

幻太郎がそう言うと嬉しそうに笑うA



 





『、うんっ...!

...あと、さ...幻太郎






私、わがままだからさ......』


 




そう言うと、Aは自分がつけていた【クラスプ】を幻太郎に手渡す



 








「...A、これっ...」





 


『...絶対にまた会おう。意地でも

私...絶対に彼処から出るからっ!





...だから、それまで...

コレを持って、待ってて欲しい、な...』








Aの気持ちに、幻太郎はクラスプを丁寧に受け取る。



 




「えぇ、絶対に...




それまではこれをあなただと思って、片時も肌身離さず持っておきますね」




 



そう言うといたずらっ子のような笑顔で笑う幻太郎。





 









 




『ぁ...そ、そんなんじゃなくてっ...いや、嬉しいんだけどッ...!


ッうぅ...』



 







これには流石にAも顔を赤く染めた

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作者名: | 作者ホームページ:出来たらいいなぁ  
作成日時:2020年7月21日 22時

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