舞い散れ【夢野幻太郎】 (ページ2)

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紅一葉ページ2

H歴

　

　

『...明日、

完全に中王区が壁を閉じるんだね...』

　

「えぇ...そうですね......」

　

　

一本の大きな紅葉の木を背に、お互いはお互いの顔を見ずに話す

『...私、もうあいつのお見舞いに行けないかもしれない......』

　

「...」

　

『この先、ここから出れるのかも分からない...』

　

「...」

　

『...幻太郎と約束したこと、守れるか分からない......』

　

「...」

　

　

　

　

　

　

『......今日を堺に、もう幻太郎に会えないかもしれない...』

　

　

女の言葉に男は息をゆっくり吸うと、言葉を零す

　

「それはそれは...まるで白昼夢のようですねぇ

いつも聞いてきたあなたの声が今日限りで最後になるかも知れないというのは...」

　

　

あくまで平然に、自然に......＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

　

紅く色づいた大きな一本の紅葉の大木

男の名を【夢野幻太郎】、女の名は【夢元A】

　

　

　

二人はその木の根本にひっそりと寄り添っていた