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彼女は擽ったい ページ43

おそ松は机の上に突っ伏した状態にあり、顔を伏せているので表情はわからないが、眠っている様子だとAは思った。

スススッと足音立てずに近付いて無防備な彼をまずはじっとその姿を見つめる。


そうして恐る恐ると言った様子で左手を伸ばすと
人差し指でツンツンとおそ松の頭を軽く小突いた。

しかし顔を上げるような素振りは見せず、おそ松の口から声が漏れる。


その瞬間驚いて指を引っ込めるAだったが、相手が起きないと終わるとホッと胸をなで下ろし
今度は目線を合わせるようにしゃがみ込んで、机の角に両手をつきながらおそ松を眺めた。



「…ふふっ、昨日の爐仕事畭臺僂世辰燭ら、疲れちゃったのかなぁ?
でもこんな所で寝てたら風邪引いちゃうよ、おそ松兄さん」



おそ松を眺めているだけなのに、何故だか胸が擽ったい。

Aはクスクス笑いながら小声でおそ松に話し掛けると、不意にまたキョロキョロと部屋を見渡した。


そうして今1度誰もいない事を確認すると、Aの視線は再びおそ松へ。

しかしその瞳は先程と違って熱が孕んでおり
潤んだ瞳を細めてAは頬を染めると、煩い鼓動を押さえ付けながらそっとその手を投げ出されたおそ松の手へと伸ばした。


きゅっ、と軽くおそ松の指先を握るとあたたかな温もりが伝わって来て、Aは思わず口元を綻ばせる。

Aは握った指に力を入れたり抜いたりしながら暫くの間黙り込むと、一瞬悲しそうに眉を下げてから震える口を使って言葉を紡いだ。



「あ…あ、のね…おそ松兄さん。
…クロがね、言ってたんだけど…

……?」



何か言葉を続けようとしたAだったが、ふとおそ松の背中が小刻みに震えている事に気付く。

余程寒いのだろうかと思ったが、直後に「ククッ」と笑い声が零れ、Aは驚いて握っていたおそ松の指を離し、目を見開いた。



「くっ、ふふふ…!
ダメだ、やっぱ我慢出来なかったわ」



どうやらおそ松は起きていたらしい。

むくりとおそ松は顔を上げて起き上がると、Aは更に驚いて一歩後ろに後退した。


対しておそ松は何が面白いのか、くつくつ笑いながらAの方を見遣ると
ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべて「なんかごめんねぇ」と笑った。



「おっ…おそ松兄さん…!お、起きてたのっ……?!」



おそ松が起きていた事実とおそ松に笑われた恥ずかしさでAは顔を真っ赤にさせると
別の意味で震える口を使い、睨むようにおそ松を見た。

彼女は気付かない→←彼女は確認する



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*IJu*(プロフ) - 柚原きこさん» 御指摘コメントありがとうございます!間違ってますね……寝惚けてたのかな( ˇωˇ ) わざわざ教えて下さりありがとうです!早速直しに行ってきます! (2018年1月17日 23時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
柚原きこ - コメント失礼します。ページ27の7行目の『怒っている』が『起こっている』になっていますよ。 (2018年1月10日 23時) (レス) id: c3c5b55407 (このIDを非表示/違反報告)
柚原きこ - *IJu*さん» ありがとうございます!この作品を心から応援してます!更新、頑張ってください。 (2018年1月4日 21時) (レス) id: c3c5b55407 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 柚原きこさん» コメントありがとうございます〜! こんな作品でよろしければ是非どうぞ〜! (2018年1月4日 19時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
柚原きこ - この作品のリンクとどういうものなのかを簡単に書かせていただきたいのです。もしよかったらお返事いただけると嬉しいです。長文、すみませんでした。 (2018年1月4日 17時) (レス) id: 1cca1a4110 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年9月24日 1時

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