エメラルドは手当てする ページ37
だが一松はその事を言い出す事が出来ず黙り込み
その間にも2人の会話は続いて行く。
「それより早く車の鍵開けてくんない?怪我の手当てしたいんだけど」
「あ、ああ!そうだな!今開ける!」
やや苛立った様子のチョロ松にカラ松は少々様子を伺いながらも素直に従い、持っていた車のキーで鍵を解錠する。
途端にチョロ松は扉を開けて助手席の足元に無造作に置いてあった救急箱を取り出すと
その中から乱暴に薬と包帯を取り出して、その場で上の服を脱ぎ始めた。
「カラ松、包帯持ってて」
「あ、ああ…」
「ったく…めんどくせーないちいち……」
彼の傷口が露になり、チョロ松は顔を顰めた。
傷口は案の定貫通しており、そこからまだ血が流れ出していた。
おかげで着ていた服も肌も赤っぽく変色し、潔癖症気味のチョロ松にとっては最悪な気分だった。
「ぶホッ」
一方、クロを抱いたまま少し離れた所で佇んでいたAの腕は
当然Aは顔からクロを引き剥がそうと試みるが、その前に頭の中に猴Э有瓩寮爾響いた。
『ダメよA、見ちゃダメ』
「ど、どうしたのいきなり…!何を見ちゃいけないの?」
『何でも、よ』
「えー!そう言われると気ーにーなーるー!」
『ダメったらダメ!Aにはちょっと色んな意味で刺激が強いの!』
「シゲキって何の事ーー!!」
バタバタと1人藻掻くA。
その姿はまたに滑稽だった。
一部始終を目撃していた一松も思わず2度見してしまう程には、その光景は異常に思えた。
当たり前だ、この時彼に猴Э有瓩寮爾聞こえなかったからだ。
聞こえるはずもない。Aの頭の中に響いている声なんて。
しかしAはそんな事も構い無しに、響く声にいちいち反応するものだから、周りから見ればただただ1人で喋っている異端者にしか見えないだろう。
「(何やってんだ、アイツ……)」
この時の一松も、顔面にぬいぐるみを押し付け1人でバタバタしているAの事を、ただの異端者としてしか見なかった。
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*IJu*(プロフ) - 柚原きこさん» 御指摘コメントありがとうございます!間違ってますね……寝惚けてたのかな( ˇωˇ ) わざわざ教えて下さりありがとうです!早速直しに行ってきます! (2018年1月17日 23時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
柚原きこ - コメント失礼します。ページ27の7行目の『怒っている』が『起こっている』になっていますよ。 (2018年1月10日 23時) (レス) id: c3c5b55407 (このIDを非表示/違反報告)
柚原きこ - *IJu*さん» ありがとうございます!この作品を心から応援してます!更新、頑張ってください。 (2018年1月4日 21時) (レス) id: c3c5b55407 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 柚原きこさん» コメントありがとうございます〜! こんな作品でよろしければ是非どうぞ〜! (2018年1月4日 19時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
柚原きこ - この作品のリンクとどういうものなのかを簡単に書かせていただきたいのです。もしよかったらお返事いただけると嬉しいです。長文、すみませんでした。 (2018年1月4日 17時) (レス) id: 1cca1a4110 (このIDを非表示/違反報告)
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