エメラルドは睨みつける ページ2
「ち………ちょ、ろ……まつ……?」
Aもまさかチョロ松が自分の目の前まで来るとは思わず、大きく目を見張って彼の目を見つめる。
するとチョロ松はギロリと彼女を睨み返し、Aは微かに肩を縮めた。
何とも言えない嫌な感じを感じ取ったカラ松達はチョロ松に声を掛けようと思ったが、その前にチョロ松が言葉を続けた。
「さっきっから部屋中うろうろうろうろ、落ち着きないしいちいち独り言呟くし。テメェは黙ってられねーのかクソ女」
その口調は完全に苛立ちMAXだった。
Aもそれを肌で感じたのか、その表情から笑顔が消える。
カラ松達も内心穏やかには過ごせず、ハラハラしながらも見守っていた。
「ご………ご、ごめんな、さい……」
「謝るんだったら最初からするなっつーの。
つかそこ邪魔。退いてくれない?」
「は……は、はいぃ……」
しっしっとハエを払うような仕草をしながら彼女を鋭く睨みつけ、Aはすっと身を引いた。
するとチョロ松は一つ舌打ちした後、給湯室の中へと入って行った。
そうして少しの間Aはその場に固まっていると、給湯室からチョロ松が再び出て来て、Aはビクリも肩を反応させた。
その手には何やらお菓子の箱が握られていて、Aは思わずそちらの方に視線を注ぐと、再びチョロ松に睨まれてしまう。
「…………何」
「え、あっ……え……え、と……」
Aは慌ててお菓子の箱から目をそらすが、チョロ松はそれを見逃さなかった。
すぐに彼女が何を見ていたのかに気付き、チョロ松はその眼光をお菓子に向けると、チラリとAの方を伺ってから呆れたような顔をした。
「………食べたいの?」
「え、やっ……そ、そーゆーわけじゃなくって……その……
………何のお菓子なの、かなぁ………って」
「チョコだけど」
「ち、チョコなんだ!そっかそっかぁ!チョコはあ、甘くて美味しいもんね!
ち……ち、チョロ松も……好きなの?」
「別に。ただ何となく」
「そっ……かぁ……」
「……」
Aは彼との会話を試みようとしたが、即返答な上に短く返されるだけで、会話が続くこともなく。
更には彼の鷹のような視線に気圧され、Aは視線を落としてクロを抱き締める。
対してチョロ松は訝しげな顔をした後におもむろに視線をチョコレートに移すと、わざとらしく溜息を吐いた。
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*IJu*(プロフ) - 柚原きこさん» 御指摘コメントありがとうございます!間違ってますね……寝惚けてたのかな( ˇωˇ ) わざわざ教えて下さりありがとうです!早速直しに行ってきます! (2018年1月17日 23時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
柚原きこ - コメント失礼します。ページ27の7行目の『怒っている』が『起こっている』になっていますよ。 (2018年1月10日 23時) (レス) id: c3c5b55407 (このIDを非表示/違反報告)
柚原きこ - *IJu*さん» ありがとうございます!この作品を心から応援してます!更新、頑張ってください。 (2018年1月4日 21時) (レス) id: c3c5b55407 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 柚原きこさん» コメントありがとうございます〜! こんな作品でよろしければ是非どうぞ〜! (2018年1月4日 19時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
柚原きこ - この作品のリンクとどういうものなのかを簡単に書かせていただきたいのです。もしよかったらお返事いただけると嬉しいです。長文、すみませんでした。 (2018年1月4日 17時) (レス) id: 1cca1a4110 (このIDを非表示/違反報告)
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