○証明○ ページ40
「…本当か?」
「本当だよー!
ゴウセル信じてないなー?」
「石一つで場所を瞬間移動が可能とは到底思えない」
案の定、ゴウセルは信じてなかったみたい。
…まぁ、気持ちはわからないでもないけれど。
でも信じてもらえないのはちょっと悲しい。
悔しくて頬を膨らませてゴウセルを睨むけれど、仕方ないと思って私は視線を移動石に移す。
「なら証拠見せてあげる!」
そうして目を瞑って移動石を握り締め、反対側の手でゴウセルの手を握る。
そのまま私は高らかに、呪文を唱えた。
「ドウイ・スメス・チクチャ!!」
−−−
「……驚いたな」
ゴウセルのその感想に私は思わず胸を張る。
これでゴウセルは信じてくれたようだ。
先程まで木々の生い茂った森の中だったけれど
今いるのは森の出口。街へと続く道のど真ん中。
このまま道なりに行けば街に行く事が出来るんだ。
それにそこまで距離も離れてないから、その街の一部がここからでも見えてる。
「でっしょーー?
これで私の言ってた事、信じてくれる?」
きちんと移動石の力を見せつけた所で、私はゴウセルの腕をクイッと軽く引きながら移動石をポケットにしまう。
ゴウセルは素直に頷いてくれて、私はそれが嬉しくってまた胸を張ると、ゴウセルの腕を引っ張って駆け出し、街を目指した。
破れたワンピースの隙間からチラチラと見せちゃいけないものが見えてるのも忘れて。
−−−
「うわぁ……!!」
街に着くと私は早速、その賑わった雰囲気に感嘆の声をあげる。
まるで何かのお祭りのよう…!
前来た時もそうだったけれど、こういう所ってドキドキする。
隣にはゴウセルもいるし、久々に人のいる所に来て私ったらソワソワしちゃって。
気付いたらゴウセルの手を離して、自分の思うがままに駆け出していた。
「…!」
「わっ?!」
瞬間、ゴウセルは私を追い掛けて、私の腕を掴まえた。
いきなりだったから思わずびっくりしちゃったけれど
途端にゴウセルはそそっかしい私にいつも通り注意する。
「A、勝手に行くな。迷子になってしまう」
「あっ…でも、服屋さんここら辺に無いから…」
「それに走ったら見えるぞ」
「うっ……!」
言い訳をしてみるけれど、正論で返されて私は恥ずかしさで顔を真っ赤に染める。
踵を返し、ちょっとの間悶えた後、私はゴウセルに手を差し出すと
ゴウセルはいつものようにしっかりと繋いでくれた。
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*IJu*(プロフ) - フウさんさん» コメントありがとうございます〜!お気に召して頂けたようてま( ˇωˇ ) なるべく早く更新できるように頑張ります…! (2018年7月23日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
フウさん(プロフ) - すごく面白いです!!!早く続きみたいです!! (2018年7月22日 10時) (レス) id: 68aa123671 (このIDを非表示/違反報告)
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