彼女の罠 ページ33
「もう、Aったら相変わらず。
怒っちゃうと周りが見えなくなっちゃうのね」
「…………ごめん」
「あんまり早とちりしちゃうとアーサーに逃げられちゃうわよ」
「…うっさい、カマ面」
「か、カマッ…?!」
「御心配なさらずに、A殿!
私は決してA殿から逃げたり致しませんよ!!」
「だっ…だから、いちいち近いんだって…
つか手ェ握らないで……」
とにかく、この迷路ではズルが一切通用しないとわかり、早くも調子が狂ってしまう。
とりあえず僕の手を握り締めながらグイグイ近付いてくるアーサーから距離を取りながら、仕方なく〈十戒〉が創り出したらしいこの迷路を攻略する事にした。
とは言っても振り出しに戻っただけで、分かれ道に差し掛かるとまた団長達が呑気にどっちに行こうか話し合う。
その光景がさっきよりもイライラする。ああイライラする。
「………ん?」
今日何度目かの別れ道に差し掛かり、また団長達が右か左かで迷っていると
ふと後ろの方からガコッ瓩伐燭が開く音がした。
結構大きな音だったので皆一斉に後ろを振り返ると
さっきまで壁だった所がいつの間にか扉のように開いて、僕は目を丸く見張った。
これは……なんだ?こっちに進めばいいって?
いやいや、そんなワケないだろ…
コレ絶対罠だな、罠。
僕達を迷路に永遠に迷わせる為の罠だわ、絶対。
「なんだ…なんか、開いたぞ?」
「誘導…?罠か?」
「もしかして誰か仕掛け動かしたり……」
しかし壁が開いただけで何も起きるような感じはない。
皆不思議に思ってその壁を見つめながら口々に何か言っていたその時
今度はゴロゴロ瓩伐燭が転がって来るような音が聞こえて来た。
それは複数で、しかもだんだんとこちらに近付いて来る。
更には気のせいか地面が微かに揺れ動いているような気がして……
「いっ…?!」
否、それは気のせいではなく
やはり壁が開いたのは〈十戒〉側の罠だった。
何かが転がって来るような音が鮮明に聞こえるようになると、開いた壁の向こう側から何かが転がって来るのが見えた。
それは丸い形をし、無数の棘の付いた鉄球だった。
しかも超巨大で、しかも大量に。
これに気付いた時には僕は思わずサッと血の気が引くのを感じ
誰が放ったかわからない「逃げろォ!!」の言葉に従って、皆と同じ方向に全力で飛んでった。
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*IJu*(プロフ) - らんさん» うーん…一応更新する順番は決めているんですが、特殊というかなんというか…お話もメモとかしてないでその場で言葉を考えて打っているので、パッと書ける時もあればそうでない事もありますし、基本不定期ですね(´・ω・`)長いと1ヶ月弱更新しない事もあります……… (2018年10月5日 4時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
らん - どの程度で更新するんですか? 例えば、週に2度とか、土日の12時にとか! (2018年9月30日 22時) (レス) id: 1161fafd27 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - らんさん» コメントありがとうございます〜!!楽しんで頂けているようで良かったです(`・ω・´)これからも更新頑張ります〜!! (2018年9月30日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
らん - 更新楽しみぃ!! 面白くて、Part1から一気に読んじゃいました!これからも頑張ってください! (2018年9月28日 0時) (レス) id: 1161fafd27 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます! 楽しんで頂けて良かったです〜(*´∀`) これからも更新頑張らせていただきます! (2018年9月23日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
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