彼女の関心 ページ35
何故か団長の肩が一直線に割れ、そこから血が吹き出し始めた。
団長は苦痛に顔を顰めると、傷口を抑えながらゆっくりとその場に膝を付く。
対してキングは特に動揺する様子もなく、平然とした態度で1人何やら話していた。
……今のは、キングが……?
「マーリン!!キングはメリオダスに一体何をしおった!?
ほんのかかすり傷が見る間に悪化していきおった!!」
目の前の光景に皆も理解出来ず驚いている様子で、ジェンナは慌てた様子でマーリンの方を見やる。
するとマーリンは2人の様子から目を離さずに説明し始めた。
「キング本来の魔力『
「本来の…?」
「かすり傷を重傷化させ、毒を猛毒に変え、小さな腫瘍を増大させる。
木々や植物を成長・繁殖させる一方、間引くことで森を維持し、統べる妖精王ならではの魔力だろう」
なるほど…やはりアレはキングの魔力か。
今までキングの魔力は神器を操る時ぐらいしか発動したいる所を見た事が無かったのだが、こんな使い方もあったとは…
………って、関心してる場合じゃない。
「おいジェンナ!とりあえず2人を此処から出せっ!
このままじゃ団長がヤバイぞ!」
「わっ、わかっておるわいっ!!」
喧嘩をこのまま続けさせたら、団長はどうなってしまうのか。
そう考えると少し怖くなり、僕は慌ててジェンナに頼んだ。
ジェンナは僕の言葉に頷くと、不味い様子の2人が映るソレに向かって、怒鳴り声をあげた。
「いい加減にせんか!!
二人共もう出てこい!!」
すると2人の様子がピタリと止まり、2人とも上を見上げる。
多分上からジェンナの声が聞こえてるんだろうね。
やがてキングは団長のすぐ横を通って団長に背中を向けると、大人しく修練窟の出口の方へと向かって行った。
団長もその後ろに続く。
…とりあえず、2人の喧嘩は一旦収まったな。
でももしかしたらまたこわな喧嘩をするかもしれない。
そうなったらどうすればいいんだ。
これならまだバンと団長の悪絡みの方がマシだぞ。
周りも大分巻き込まれる時があるが、大抵は無視して適当にさせとけばその内大人しくなるんだから。
それにしても…2人の喧嘩の原因は何だ?
あの温厚でいじられ慣れてるキングが、こんなにも怒るだなんて。
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*IJu*(プロフ) - 如月李瑠葉さん» コメントありがとうございます! ツンデレ良いですよねツンデレ(( そんな、天災だなんて…← 僕には非常にもったいないお言葉でず…_( _´ω`)_ (2017年1月9日 12時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
如月李瑠葉 - これも面白いですね!夢主のツンデレっぷりがイイ…天才ですか!? (2017年1月9日 1時) (レス) id: 5cf1189260 (このIDを非表示/違反報告)
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