辻 443 ページ26
「………霧野は本当に、優しいんだね。
こんな僕にもそんな優しい言葉を送ってくれるだなんて。
今までの団員達も、キミのように嫌がる子はいたけれど……結局は皆、僕を刺したのに」
イドラは何処か懐かしむように語りながら、俺の手を大事そうに握る。
そんな彼女の話を聞いて、脳裏には親友である神童の顔が浮かんだ。
……神童も結局は刺したんだ。
でもきっと彼も優しいのだから、俺のように嫌がったんだろうな。
彼は虫1匹も殺せないようなヤツで、よく泣いていたから周りからは�犁磴�虫�瓩版麓�にされていたから。
「でもね、霧野。僕はキミに仲間になって欲しいんだ。
ねぇ、どうしてそこまで拒むの？何か理由があるの？」
「………」
「……そう。あまり踏み込まれたくはないんだね」
子供をあやす様な彼女の言葉に黙りを決め込むと、イドラはやっと理解したのか、目を伏せて少し悲しそうな顔をした。
「じゃあ、仕方ない」と彼女は溜息混じりに続けると、空いたもう片方の手で俺の手首を掴んで、微笑んだ。
「
瞬間、嫌な感触が俺の手に伝わった。
ｸﾞｻﾘと、何かを刺した様な感覚。
この感触は人を……シュウを刺した時と同じだ。
まるで
恐る恐る俺は、イドラに握られていた手を見遣る。
するとその手にはいつの間にか、真っ赤なナイフが握られていて
そのナイフは彼女の腹に、深々と突き刺さっていた。
…………違う。
これは、俺がやったんじゃない。
きっとイドラが、ナイフを�狒呂辰騰甓兇忙匹気擦燭鵑世蹐Α�
だから、俺のせいじゃない。
そうは言い聞かせても、俺の手には彼女を刺した感触がしっかりと伝わっている。
この手で刺したんだと、言っている。
暫く放心状態に陥っていたが、我にかえって手をナイフから離そうとしたが
その前にイドラが俺を突き飛ばして、刺さっていたナイフを俺ごと引き抜いた。
俺は尻餅をつき、あとに俺の手に残ったのは彼女の温もりが伝うナイフ。
元々真っ赤だったのに、彼女の鮮血が更に赤く染め上げる。
思わず俺はそのナイフを床に投げ捨てると、彼女の方を見遣った。
するとイドラもその場に倒れていて
彼女は乾いた笑い声を発してから頭を上げると、何処か満足そうに微笑んだ。
「入団おめでとう、典人、蘭丸。
これからよろしくね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「イナズマイレブン」関連の作品
イナズマイレブン 〜脅威の侵略者編〜 第10巻
イナズマイレブン 秋風 楓の事件簿 �将�
【野坂悠馬】戦術の皇帝と聡眼の麗乙女 �宗撻ぅ淵坤泪ぅ譽屮鵐�リオンの刻印】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - ゆきうさぎさん» コメントありがとうございます！続編来てしまいした…()これからも亀更新ですが、頑張らせて貰いますー！！ (2018年8月11日 2時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきうさぎ - 続編おめでとうございます！！楽しみにしています！これからも頑張ってください！ (2018年8月10日 15時) (レス) id: dea74ddfb3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
