0と1とイレギュラー【真名部】 ページ28
「真名部君、君はこの世界が何で出来ているか知ってるかい？」
何ら変わりないと思っていたいつも通りの帰り道。
歩いていると不意に1人の女性が話し掛けてきた。
その人は真っ白な白衣に夕焼けのような濃いオレンジ色の頭をしていて
ｷﾞｮﾛｯと大きく開かれたその翡翠色の目は、何処かの誰かさんを連想させる。
「………誰、ですか？」
「この顔のパーツを見れば、何となく察しはつくんじゃないかな？」
その人は全く見覚えのない人で、怪しげな彼女に名前を問うと、答える代わりにそう言って、自身の大きな瞳とオレンジ色の髪の毛を指差した。
確かに彼女に言われた通り、何処と無く皆帆君に似ているとは思ったので、皆帆君の御家族の方かと尋ねてみたら
彼女は「当たり」と何処か嬉しそうに微笑んで僕の隣に並んだ。
「まぁ、とりあえず私の事は『皆帆のお姉さん』とて認識してくれたまえ」
「…お姉さんじゃないんですか？」
「お姉さんだよ。会った事ないけど」
「えっ？」
ﾎﾟﾛﾘと彼女の口から出た言葉に僕は驚いてしまう。
その真意を確かめようと口を開いたが、疑問がそのから出る事は無かった。
…皆帆君の御家庭は、僕が思っている以上に複雑なようですね。あまり無闇に首を突っ込むのは野暮でしょう。
「ところで真名部君、先程の質問に答えてくれはしないのかい？」
「…はい？」
「私は君に問うたよね？『君はこの世界が何で出来ているか知ってるかい？』って」
「…いきなりそんな事言われましても」
気不味い空気になる暇も無く、彼女は笑顔を浮かべながら僕に問う。
しかしその質問はあまりにも唐突で、考えた事など無くて。
どう答えような迷っていると、彼女は質問してすぐにﾆﾖﾆﾖしながら口を開いた。
「答えはだね、真名部君」
「え？ちょっと、まだ考えて…」
「この世界は0と1で出来ているんだよ」
「…」
…どうやらこの人は人の話を聞く気はないらしい。
そこら辺は確かに、僕の知ってる皆帆君と似ているものがある。
本来ならそこに文句を言う所ですが、初対面ですし、何より皆帆君に似ているので諦めてこのまま黙って話を聞く事にした。
「真実と偽り、存在の有無、創造と破壊。生と死。
この世界は全てが0と1で成り立っているのさ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「イナズマイレブン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - ココ松さん» 大変長らくお待たせしてしまいました…リクエストしたお話が書けました！お手数ですが続編の方へお願いします…！ (2018年1月16日 1時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ココ松さん» 了解しましたー！ お話が思いつき次第更新致しますのでしばしお待ちを！ (2017年12月18日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ココ松 - ＊IJu＊さん» もちのロンでその人です！ (2017年12月14日 21時) (レス) id: 352fae32d2 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ここ松さん» こんにちは、お久しぶりです〜！リクエストありがとうです！ 因みにタクト君とはイナイレの神童拓人ですよね？ (2017年8月26日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ここ松 - お久し振りです！またリクエストよろしいですか？今度はタクト君と月光を弾く話って出来ますか？ (2017年8月25日 20時) (レス) id: ed1304e9db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
