おむかえ【剣城】＊剣城優介様リクエスト ページ22
私には、将来を誓い合った大切な人がいる。
その名前は剣城京介。
深い藍色の髪に猛禽類を思わせる鋭い瞳。
肌は私よりも白くって、人を寄せ付けない一匹狼な雰囲気を醸し出していて。
こうやって説明すると冷たい人とか無愛想とか思われるかもしれないけれど、決してそんなんじゃないの。
だって彼は出掛ける時は紳士的にエスコートしてくれるし、記念日だってちゃんと覚えてて、いつもその日にはケーキとプレゼントを用意して来るし。
風邪を引いた時は付きっきりで看病してくれたの。
あの時に食べたお粥はとっても美味しかったなぁ…
…そんな優しくて素敵な彼に、つい一年前から会えていない。
理由はよくわからない。何処に行ってしまったのかもわからない。
ただ、この話をすると必ず彼を知る友人達は顔を曇らせて黙ってしまうから、只事じゃないのはわかる。
最後に会った時は確か私の誕生日で、彼は通話で『楽しみに待っていろよ』と笑っていた。
ｶﾝｶﾝと鳴り響く踏み切りの前で立ち止まる。
黒と黄色のバーがゆっくりと下ろされて、向こう側との通路を遮断する。
まるで此処はあの世とこの世の境界みたいだなと、ぼんやりした頭で思った。
私はずっと待っている。京介の帰りを待っている。
だって京介は私の大切な人だもの。
私には京介しかいないもの。
ああ、だから早く帰って来て、京介。
幻覚に惑わされる前に。
「A」
優しい声が聞こえた。
愛しい彼の、柔らかい声が。
俯かせていた顔を上げて、踏み切りの向こう側へと視線を移す。
するとそこには驚く事に、京介が立っていた。
前と変わらぬ姿形で、微笑みを湛えていた。
「きょ………す、け……？」
「すまないな、帰りが遅くなって」
あまりにも唐突の事で、あまりにも驚愕的で。
何が起きているのか一瞬わからなくって、私は呆然と彼を見つめる。
頬に何かあたたかいものが流れた気がした。
彼はおもむろにこちら側に手を伸ばして笑うと、昔と同じように言った。
「帰ろう、A」
その言葉が嬉しくて、彼が帰って来た事が嬉しくって。
「っ………ぅん……！！
かえろっ……京介っ…！！」
鼻声になりながらも私も微笑むと
鳴り響く踏み切りの音の中、私は電車の前に飛び出した。
私には2人の兄がいる【剣城兄弟】＊剣城優介様リクエスト→←＊
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＊IJu＊(プロフ) - ココ松さん» 大変長らくお待たせしてしまいました…リクエストしたお話が書けました！お手数ですが続編の方へお願いします…！ (2018年1月16日 1時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ココ松さん» 了解しましたー！ お話が思いつき次第更新致しますのでしばしお待ちを！ (2017年12月18日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ココ松 - ＊IJu＊さん» もちのロンでその人です！ (2017年12月14日 21時) (レス) id: 352fae32d2 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ここ松さん» こんにちは、お久しぶりです〜！リクエストありがとうです！ 因みにタクト君とはイナイレの神童拓人ですよね？ (2017年8月26日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ここ松 - お久し振りです！またリクエストよろしいですか？今度はタクト君と月光を弾く話って出来ますか？ (2017年8月25日 20時) (レス) id: ed1304e9db (このIDを非表示/違反報告)
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