サッカーと大罪人とお好きな松とヒーローと【短編集】2 (ページ2)

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驚かせないでよ【メリオダス】＊リオ様リクエストページ2

「うぅ……ゴウセルのバカ……」

夜遅く、わたしはゴウセルのせいで眠れないでいた。

だってゴウセルったら…いきなり私の前で怖い話の本を音読し始めて…
しかも妙にリアルで生々しい話だった。

私、怖いのダメなのにっ…！
逃げる私を追い掛けてまで怖い話を聞かせたかったの…？！
ゴウセル私の事嫌い！？

…と、そんな事があり、私はこんな時間になっても眠れないでいた。

部屋の中に1人だし…ちょっとした物音でも凄く怖い。
もうイヤ…早く朝になってぇ…！！

『ｶﾀﾝ』

「ひぃっ？！」

ギュッと目を瞑って布団の中に潜り込んでいると、不意に近くで物音がした。
こ、怖くて変な声出ちゃった……

まぁ…た、多分何も無いと思うけど……

『ガオーー！！食べちゃうぞーー！！』

「ぎゃああああああ！！？」

なんて呑気に思っていたら誰か私ではない人の声が聞こえて思わず飛び起きる。

だがその声の正体を知って、私の顔に熱が集中していくのを感じた。

「め……めっ、メリオダスっ…！！」

「へへっ、相っ変わらずビビりだなぁ、お前」

私を驚かせた声の正体は、メリオダスだった。

メリオダスはイタズラっ子のような笑みを浮かべると私を指差してクスクス笑う。
そのなんと腹立つ事か。

まさかのメリオダスに驚かされた……
見た目が子供のメリオダスに……まぁ、脳内はアレだけど。

驚かされた事による羞恥と、メリオダスだった事による安心感が同時に込み上げてきて
私は布団を頭から被って彼に背中を向けた。

「おいおいおーい、A～？ふて寝すんなって」

「してないっ！」

「してるだろ？悪かったって。

ほら、出て来いよ」

「ヤダっ！！」

「ハハッ、めっちゃ怒ってる」

布団にこもっても尚笑われ、私は恥ずかしさで頭を抱える。

もうメリオダスのバカッ！アホっ！！変態っ！！
知らない知らない！メリオダスなんてもう知らないっ！！

「ほーら！出て来いっ！！」

「っ…！？」

頭の中で幼稚なメリオダスへの悪口をブツブツ呟いていると、不意に私の被っていた布団が取り払われた。

驚いて思わず顔を上げてしまい、メリオダスと目が合う。

ま、ずい……

今の私の顔、見られたら＿＿＿