彼女の朝 ページ3
「……ん…」
朝。
窓から漏れる朝日と鳥の囀りによって1日が始まる。
まだ少し重く感じる体を無理矢理起こし、その場で大きく伸びる。
同時に欠伸もして、視線を正面にある木の壁から横に移した。
「おはよう、リラ」
するとそこにはもう既に彼がいた。
彼は淡々とそう言って、読んでいた本を閉じる。
「…相変わらず早いな、ゴウセル様は」
「お前もな。
日の出と共に起きれる奴はそうそういない」
眉を顰めながらそう言うとゴウセル様は本を本棚に戻して、私のベッドの端に腰掛ける。
私はそれを目で追いながら、再び布団に潜り込んだ。
「二度寝か」
「どうせこの小屋から出れないんだ。
暇潰しなんてもう寝るしか方法ねーんだよ」
ゴウセル様に背中を向け、ちょっと恨みも込めて吐き捨てた。
私はこの小屋から出る事を許されない。
そうゴウセル様に言われてから8年間、此処を出ていない。
かと言ってジッとしてなどいない。
小屋には沢山本がある。
絵の道具がある。
綺麗な花がある。
だけど、全部飽きた。
だから暇なんだよ。
ゴウセル様がこうして此処に来ないと。
「それにゴウセル様、どうせガキの世話しにオーダンに戻んだろ？
えーと…ガキの名前は何だっけ？ペリカン？」
「ペリオ、だ。
いい加減覚えろ」
早口気味に言われ、私は肩を竦める。
ゴウセル様がこうして此処に来るのは朝早くと夜遅く。
それまでの間は近くの村、オーダンにいるその…ペリー？のガキの世話をしているらしい。
「ペリーじゃない、ペリオだ。
お前最早覚える気ないだろ」
「うおっ？！」
いつの間にか私の隣にいて、私の心を読んでいた。
びっくりし過ぎた私はベッドから落ちて、背中を床に思いっきり打ち付ける。
「大丈夫か、リラ」
「ああ、おかげさまで眠気が覚めちまったよチクショウ」
「最っ低」と付け足してゴウセル様を睨み付けると、ゴウセル様は首を傾げて私に手を差し出した。
私は彼の手を掴み、思いっきり引っ張ってやった。
案の定ゴウセル様もベッドから落ちて、一緒に床に転がる。
「…何のつもりだ」
「ちょーっとしたイタズラだ。
痛かったろ？」
「ああ、痛い」
「それが私の気持ち」
私がそう言うとキョトンと首を傾げるゴウセル様。
それが何だか面白くて、つい笑ってしまった。
こうして素直に笑ったのは、久しぶりだ。
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＊IJu＊(プロフ) - ユキヤさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで嬉しいです^^名前についてはどちらも変更可能ですので、そちらで御自身のお好きな名前に変えて頂ければ……！ (2022年9月10日 18時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヤ - 名前が一緒でめっちゃ読みにくいけどめっちゃおもろい今日このごろ (2022年9月10日 12時) (レス) id: 30a2e3b099 (このIDを非表示/違反報告)
銀来(プロフ) - そうなんですか．．．まぁ、アニメキャラはみんな可愛いです。機会があったら調べてみますね♪ (2015年8月13日 21時) (レス) id: 578c57ad6f (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 銀来さん» いえ、好葉というキャラクターがいるんですよ…紛らわしくてすみませんorz 因みにマギはあまりわかりません、ごめんなさいorz (2015年8月13日 13時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
銀来(プロフ) - 好葉→紅覇ですか？えっと、要するに、マギ好きですか！？ (2015年8月12日 16時) (レス) id: 6789b7c894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年3月23日 19時
