彼女の為なら【七つの大罪】

彼女の不安 ページ11

「おし！〈七つの大罪〉(メンバー)
も五人まで揃ったことだし、祝いに飲みますかーーー！！」

「おーーーっ♪」

「大抵毎日飲んでるじゃない…」



そんなこんなで、祝いの酒盛りが始まった。

私は女の人を視界に入れないよう、目を瞑りながら参加する事に。


どうやらこの人達はゴウセル様と同じく〈七つの大罪〉の面々のようで

王国を聖騎士から救うとかなんとかで、メンバーを集めていたらしい。


ゴウセル様はその一行について行くと言っていた。

つまり、私は一体どうなるんだ…？



「お前も連れて行くに決まっているだろう」

「へ…？」



少し不安に思っていると、隣のゴウセル様がそう言った。

口には出してないと思うから、多分心を読んだんだ。



「わ、私も、行くのか…？」

「当たり前だ。
お前は俺の彼女、俺はお前の彼氏だ。
離れて浮気でもされたら大変だ」

「だっ、誰が浮気するかってのっ！！」

「そうだと良いのだがな」

「しねーよ！！
私はゴウセル様が一番好きなんだからっ！！」



そこまで言って、穴に入りたくなる。


ヤバイ、今のはヤバイ。

めっちゃくちゃ恥ずかしい。
恥ずかしくて死んでしまう。



「……」



しかも無言だよ。
黙っちゃったよ、ゴウセル様。


うわ…絶対今変な目で見られてる。

ゴウセル様に変なものを見る目で見られてる。


何か話せよ、もっと死にたくなる。



「…異常な物音を察知」

「え…？」



私が両手で顔を覆い隠して悶絶していると、ゴウセル様が不意にそう言った。


……確かに、なんか『とんとことんとん』って聞こえるけど…
つか、近づいて来てる？



「いよう、ゴウセル！リラ！」



すると私のすぐ近くで馴れ馴れしい声が聞こえた。

私にはいいとして…ゴウセル様に対してコイツは……



「俺は残飯処理騎士団、団長のホーク様だ！！
まぁ、わからねぇことがあればなんでも俺に聞いてくんな！」



しかもなんか偉そうだし。

コイツなんだし。

初対面のくせに。



「なぜ豚が人の言語を話す？」

「知らねーよ」



…え？豚？


僕は衝撃の事実を知り、思わず目を開いた。

すると目の前には、一匹の豚。



「豚ぁ！？」

「豚じゃねぇ、ホーク様だっ！！」



しかもマジ喋ってやがる。



「なぜ残飯を食べている」

「うめーから」

「もういい」

「もういいのか！？
他に聞きたいことはないと！！？」



色々ツッコミたいけど、


……私も、いいや。

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