グノーシア短編集＊LOOP3＊ (ページ45)

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「ふぅ〜〜ん……そうなんだぁ……」

なんて返事するのが正解なのか分からなくて、ついそんな気のない返答になってしまう。

いや、だってそれで「はい、じゃあお願いします」なんて言うのはなんか……なんか、ね？
あ、いや別にジナが嫌だとか嫌いとかじゃないし。寧ろ好k……って何言わせんだよっ！！

とにかく。俺は曖昧な返事を返してしまうと、ジナも「そう」とだけ返して、沈黙。

静寂。とても静かな時間が流れる。
お互いに微妙な空気になってしまって、俺は次のみたらし団子に手を付けていいか迷ってしまう。

とりあえずまたコーヒーを啜って誤魔化そうとしたら、ふとジナがまた口を開いた。

「…………試して、みる？」

「ｺﾞﾌｯ」

……ついでに腕も広げた。

ジナはほんのり頬を染めながら、そっと自身の腕を広げる。コーヒーを飲んでる途中だった俺は予想外のその言動に噎せてしまい、直後に激しく咳き込んだ。

ジナは驚いてから心配そうにこっちのソファ席にやって来て、背中を擦ってくれた。おかげで苦しいのはすぐ終わったが、直後に訪れる沈黙。しかも今度のは妙に落ち着かないものだった。

ど……ど、どう、すればいい……？

いや、分かってる。多分ジナは俺の事を心配してくれているんだと思う。だからこそ、沙明が言ってた嘘か本当かも分からないストレス解消療法を試してくれようとしているんだと思う。決して俺の事が好きだとか、気があるとか、そういうのではなく。単純に俺が心配で、少しでも俺の疲れを癒してくれようとしての言動なんだよな。勘違いするな自分。頼むから自惚れんなよ自分。調子乗るな冷静になれ。

「……ごめんなさい」

ぽつり、ジナは何故か謝った。

そっと俺から離れて悲しそうに目を伏せるのでどうしたのか聞くと、ジナは苦い笑みを浮かべた。

「Aは、私とハグするのが嫌。
それなのに、私は……」

「っ…？！いやいやいや！嫌じゃないヨ？！」

「えっ？」

咄嗟に俺は否定するとジナは顔を上げてぽかんとした顔で俺を見る。

対して俺は自分が今し方放ったセリフが小っ恥ずかしい事に気付いて真っ赤になっていた。

いやっ……！でもっ……！他にどう言えば良かったんだっ……？

つかジナはいいの？俺とハグして本当にいいの？
後で後悔したりしません？大丈夫なのかな？
無理して言ってたり……そ、そういうのじゃ、ないの、かな？