グノーシア短編集＊LOOP3＊ (ページ30)

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「ま、まずはやってみよっか。じゃあ私からで」

「『真実か挑戦か』？」

「挑戦」

お、早速きたぜ。

じゃ、どこまでイけるか試してみようじゃん。

思わず上がる口角を一旦片手で隠す。
「ゴホン」と咳払いをしてから俺は彼女に指示を出した。

「俺のココにベーゼしな」

言いながらトン、と人差し指で唇を叩く。

どんな指示でもイイんだろ？
ならこーゆーのでもイイってコトじゃん？

あぁ、でも最初の試練にしてはウブな彼女にはハード過ぎただろうか。セツがいたら今頃ぶっ飛ばされているだろう。

ま、本気じゃねーから安心し……

「ん」

「っ……！！？」

指示はしてみたがハッキリ言って期待はしていなかった。

いなかったのだが、次の瞬間
彼女はグイッと近付いて、何の躊躇もなく俺の唇を奪いやがった。

すぐに彼女は離れたが、彼女の熱はまだほんのり残ったままで。呆然としていたら、Aはクスッと小鳥のように笑った。

「はい、じゃあ次は私ね。

『真実か挑戦か』？」

「＿＿＿＿っ」

あぁ、ホント。コイツ、マジか。

＿＿＿＿一体ドコまで(・・・・)イけるんだ？

－－－

「……真実」

「うーん……沙明に好きな人はいますか？」

「あぁ、今俺の唇と同時に心まで奪っちまったヤツがいるぜ？」

「あー、ハイそういうのいいんで」

「…………いる」

「へー、いるんだ。叶うといいね〜」

俺の番はそんな感じでヌルッと終わった。
……興味無さそうなカンジが少し気になったが。

で、あっという間にAの番。
俺は少し期待しながらお決まりのセリフを口にする。

「『真実か挑戦か』？」

「真実」

「あー……好きな人いるか？」

「私の質問繰り返さないでよ」

「つってもフツーに気になったからよ」

「ん～…いるよ」

「ホントか？」

「本当」

「……あっそ」

ちぇ、つまんねーの。

ま、その恋が叶う事はないんだけどな。
だってどの道この後消されるんだから。

……可哀想に。

「次は沙明の番だね。
『真実か挑戦か』？」

「真実」

「『挑戦』してみない？チュートリアルだと思ってさ」

「いーや、真実」

「……好きな食べ物は？」

「オイオイ、質問のレパートリー少な過ぎね？もっとハードなの来たってイイんだぜ？」

そんな感じで暫くは滞りなくゲームは進んで行った。