検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:5,679 hit

辻 714 ページ17

現場に着くと、既に建物は半壊していた。
轟々と火の手が上がり、今も尚少しずつ建物が崩れていく。

このままでは火の手が全体に回るのも時間の問題だろう。



「あらぁ?もしかして、王子様の御登場ですかぁ?」



そんな建物の中心、炎に囲まれた中で
見覚えのある球体を持った少女が、この場に似つかわしくない微笑みを浮かべて立っていた。

アルファに似た服を着た彼女はこちらを見遣り、にこりと笑う。
こんな場所でなければ愛想が良く、印象は悪くなかったのだが。



何より、



「っ……ぐっ……ぅ……」

「もういい、隼人!それ以上僕の前に立つなっ!!」



これまた見覚えのある、赤と青の弾丸で手首を拘束されたイドラと、そんな彼女を背に庇うようにしてボロボロの姿で立つ、赤いメッシュの瞬木がいるんだ。


印象なんて最悪中の最悪で。


よく見たらイドラの周りには他にも見覚えのある
しかし、何処か違和感のある顔ぶれが倒れていた。

真名部……皆帆……久坂………
彼等も例外なくボロボロで、力尽きたかのよう。

瞬木ももう限界だったようだ。
震える膝で尚立ち続けていたが、俺達の方を一瞥すると、遂に崩れるように膝をついてしまった。



「隼人っ…!!」

「あらあら、もう終わりですかぁ?
さっきまであんなに元気だったのに」



倒れた瞬木に近付き、彼の顔を心配そうに覗き込む。

そんな2人を気にも留めず、微笑みを浮かべる少女は再びこちらの方を見遣ると、持っていた球体のボタンの1つに触れた。



『ストライク モード』

「っ……!」



聞き覚えのある無機質な声が響く。

次の瞬間、その球体は光り輝いて、その形を変えていく。


球体は2つに分裂すると、それぞれ彼女の手に収まり、銃のような形へと変化。

それらは彼女の背後から回るワイヤーで繋がり
光が収まると、彼女は2丁の蛇の頭部のような形をした銃を手にしていた。



「とりあえず、こっちの人はもう戦えないみたいなので……

新しく寄って来たハエを潰しちゃいましょう」



彼女がお淑やかに微笑んだ次の瞬間

俺達目掛けて襲いかかって来た。

辻 715→←辻 713



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.7/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
37人がお気に入り
設定タグ:イナGO , Neru , 霧野
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年2月8日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。