▼記憶にない ページ9
A「…!」
私は思わず顔を上げてリュゲルを見遣る。
リュゲルはしれっとした顔で私達から目をそらすと
腕を組んで何処か偉そうな態度で続けた。
リュゲル「第一、チキュウ人がファラム・オービアスのような素晴らしい星に住めるはずがないだろう?
文明が遅れた星の人間が馴染めるはずがない」
A「り、リュゲル……」
嫌味ったらしく告げる言葉は、しかし明らかに本心ではなさそうで。
私は思わず微笑むと、リュゲルは「フンッ」と顔を背けてそっぽを向いた。
……リュゲルから此処に残る事を提案してきたってのに。
本気で言ってたら本当に馬鹿だよコイツ。
ガンダレス「えぇっ?!約束したじゃん、リュゲル兄!」
リュゲル「いいや、俺の記憶にはないぞ、ガンダレス」
ガンダレス「じゃあなんで俺の記憶にはあるの?
そんなの可笑しいよ、リュゲル兄!!」
リュゲル「ええい、それ以上何も言うなガンダレス!
俺だってツラいんだぞ!!」
ただ1人、話の真意に気付いていないガンダレスは頭を抱えて抗議するが、リュゲルは変わらず素っ気ない態度で続けた。
……バカにまで気を使われちまったよ、私。
でもリュゲルの言葉で地球に戻る事への罪悪感はほとんど無くなり、私はガンダレスのように前からリュゲルに抱き着いた。
リュゲル「っ…?!」
A「……ありがとう、リュゲル」
苦しいくらいに抱き締めて、耳元でお礼を言うと
私はそっとリュゲルから離れて、微笑んだ。
その時のリュゲルったら、驚いたまま固まっちゃってさ。女の子に慣れてないのか頬っぺも赤くなって。
そんなリュゲルが面白くて思わず笑ってしまう。
だがすぐ表情を改めて、くるりと和人の方を向くと
ニッと歯を見せて笑ってみせた。
A「つー事だ、ホームズ君。
これからもキミの相棒として居てあげるよ」
皆帆「…勿論だよ、ワトソン君」
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