探偵フクロウと独りのハイエナPart16 (ページ6)

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▼花冠ページ6

ｶﾄﾗ「ポトムリっ……！！」

ぐるりとカトラの周りを飛んで、光は空へと飛んで行く。

カトラはおもむろにその光に手を伸ばしたが
その時にはもう光は手が届かない所まで行ってしまっていた。

カトラは小さくなる光を見上げながら、一筋の涙を流す。
でも口元には笑みを浮かべ、ポトムリを見送っていた。

好葉「…まるで皆に御礼を言ってるみたい」

神童「……そうだな」

光が見えなくなるまで。
ポトムリがちゃんと天国に行くまで。

私達はずっと空を見上げて、見守っていた。

…今までありがとう、ポトムリ。
そうして、今までお疲れ様。

どうか安らかに。

－－－

ポトムリを見送ると、私達はファラム・オービアスの宮廷に招かれた。

前来た時と違い、着飾られた宮廷内はとても立派でまるで漫画かなんかの世界の中にいるようだった。

そんな宮廷の最上階。
大きな玉座の前で跪く私達、アースイレブン。

私も此処にいていいものか、ちょっと迷ったけれど
和人達が言うから仕方なく。そう、仕方なく。

決して仲間外れ感があって不服だったりとか、そんなんではない。そう仕方なく。

ﾗﾗﾔ「親愛なるファラム・オービアスの民、そして宇宙に生きる全ての者達よ！」

私達の前でこの国の王女……ララヤは周りを見渡しながら語る。

周りでは今まで闘った皆が集まり、今度は私達が見守られていた。

ﾗﾗﾔ「ブラックホールは消滅し、宇宙は守られた！これは、星を愛し、守り抜こうとした人々の想いの結晶じゃ！

そして、大きな力を注いでくれたのは遥か蒼き星『チキュウ』からやって来たアースイレブンなのじゃ！

さあ！盛大な感謝を！」

ララヤがそう話すと、皆から拍手が贈られる。

こうも感謝されると少し落ち着かない。
私は思わず頬を掻くと、不意にララヤは侍女に合図を送った。

そうして侍女が持って来たのは、沢山の花冠。

綺麗な白と薄紫のお花で作られたモノで私は思わず目を見張る。

この花は確か、リュゲルが話してたあの花だ。

本当に花冠にして渡すんだな。

ララヤはその花冠の1つを手にすると
まずは天馬の前に立つ。

ﾗﾗﾔ「妾からの贈り物じゃ。受け取って欲しい。
この国の祝いの場には決して欠かせぬ物なのじゃ」

ララヤは天馬の頭に花冠を乗せると
また違う花冠を手に取って、アースイレブン一人一人に贈り物をくれた。

勿論、私も貰ったよ。綺麗な花冠。

綺麗過ぎて、私なんかには勿体ないけどな。