探偵フクロウと独りのハイエナPart16 (ページ13)

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▼順番ページ13

A「…………………」

皆帆「……あれ？A、どうしたの？」

和人は手を差し出して私を立たせてくれようとしたみたいだが、対して私は頭が追い付かず、床に倒れたまま呆然と天井を見上げていた。

そっと、自分の唇をなぞる。
鮮明に蘇る、今自分が体感した感触。

ソレと同時に脳裏には眼前で目を細め、見た事も無いような顔をする和人の顔。

A「………っ………っ……！！？」

そこまで思い出して、ようやく頭が追いついて来ると
私は途端に顔を耳まで真っ赤に染め上げ、咄嗟に私は両腕で顔を覆い隠す。

……何が『ごめんね』だ、この野郎。

誰のせいでこうなってると思ってんだ、このムッツリ野郎。

A「(順番が間違ってるんだよ、畜生っ…！)」

天馬「ど、どうしたのA…？急に顔隠して……」

野咲「ちょっとー？皆帆、アンタなんか変な事したんじゃないでしょうね？」

剣城「……」

だが和人との今の一瞬は、周りの奴ら(いや、もしかしたら傍にいた剣城にはバレたかも)には気付かれていないらしい。

手を差し出されても立ち上がらず、寧ろ両手で顔を隠す私を不審に思い、さくらはじとっと和人を見遣る。

和人は苦笑いしながら「何もしてないよ！」って平然と嘘つきやがって。
更に私に手を差し出すので、私は仕方なくその手に掴まって立ち上がった。

久坂「それにしてもびっくりしたな……皆帆、お前勢い良過ぎてだぞ」

皆帆「あはは、嬉しくて……つい。
それにAなら受け止めてくれると思って」

井吹「受け止めてくれる、って……」

市川「お気持ちはわかりますけれど……女性の方を押し倒す勢いはどうかと」

好葉「Aちゃん……お顔、真っ赤」

A「……さっきもいっぱい泣いたからだと思う。
泣き過ぎて顔全体まで真っ赤に……みたいな感じで」

真名部「泣いて目元が赤くなるのは分かりますが……
顔まで赤くなるだなんて事は聞いた事ありませんけれど」

野咲「……やっぱり皆帆、なんかしたでしょ？」

皆帆「し、してないって……！
多分、ビックリさせちゃったんじゃないかな？」

A「ああ……ホント、ビックリしたよ、ばか」

私が起き上がる頃には皆が私達の周りに集まっていて
私は顔をなるべく下に向けて、顔を見られてないようにした。

和人はその後、暫くはさくらに『何かやったんでしょ』って言われ続けてて、可哀想なくらい必死に弁解してた。