▼ギャラクシーノーツ号 ページ12
A「ねぇ、剣城。私の目赤くない？」
剣城「…随分赤いな」
A「あー、やっぱり？」
リュゲル達とも別れ、私達はギャラクシーノーツ号に乗り込むと、私は剣城と一緒に先頭車両へと向かう。
そん時に早速、私はあのヘアピン付けてさ。
さっき剣城に「似合ってる？」って聞いたら「似合ってる」って半笑いで返された。
A「あーあ、この顔の事なんか言われちゃうかな……泣いた事、絶対バレるよね」
剣城「バレバレだろうな」
A「クッソ、恥ずかし……
もうこのユルユルになった涙腺どうにかして欲しいよ、皆帆さん……」
そんな話をしながら、私達は先頭車両に辿り着き
自動扉が開いたので、私は中に踏み込んだ。
すると先頭車両にはもう皆が集まって来ていて
私達がやって来た事に気付くと、皆笑顔で出迎えてくれた。
皆帆「Aっ…！」
特に和人なんか、いの一番に駆け寄って来てさ。
しかも、なーんか企んでるみたいなキラキラ顔してんの。
今度は一体何企んでんだか……と思っていたが
和人の駆け寄る勢いが結構な勢いな上に、止まらないような気がしてきた。
いやアイツ、まさかそのまま突っ込んで来るつもり…？！
その予想は当たっていたが、何分急だったので咄嗟に体が動かなかった。
私の眼前で和人は両手を広げると、そのまま私の首に腕を回した。
対して私は和人を受け止めるのに必死で
踏ん張りも効かず、遂に私は後ろに倒れた。
皆帆「いっててて……」
A「……おい、お前……」
完全に押し倒される形になったが、ムードもクソもないし、何より重いので私は和人を睨む。
そうしたら和人は惚けたように笑うと「だって受け止めてくれると思って」って言いやがった。
女の子相手に何を信頼してんだよ。
皆帆「…あ！A、ソレ貰ったの？」
A「ああ…リュゲルからな。私には勿体無いだろ？」
皆帆「ううん、可愛いよA。よく似合ってる」
A「ありがと、名探偵。
……つか、早くどい……」
いつまで人の上に乗る気なのか。
目の前でニコニコ笑うヤツに「退いて」って言おうとしたその時だ。
不意に顔が近付いて来たと思ったら、唇に柔らかい感触が触れた。
熱くて、ぷにっとした、グミみたいな感触。
私は一瞬、頭が真っ白になった。
その一瞬の内に和人はすぐ私から顔を離すと
何事もなかったかのように私の上から退いて「ごめんね」って悪戯っ子のように微笑んだ。
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