検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:8,132 hit

△リボンが234こ▽ ページ41

『…っ!?』



当然、真名部は離そうとした。

しかし、何故だか離せなかった。
まるで手首から先が別の生き物になったかのように彼女の首を締め付けていく。

しかもその力は真名部以上。下手したらA以上だ。
こんな力が何処にあったんだってくらいの勢いで締め上げ、このままでは彼女の首を折ってしまいそう。


真名部はもう、ワケがわからなかった。
どうして自分が彼女の首を締めているのか。
どうして彼女に対してこんな酷い事をしているのか。


傷付けたくなかったのに。
守りたかったのに。

全く真逆の行動に、真名部はパニックに陥る。
あんまりにも取り乱し過ぎてボロボロと涙が流れ
真名部は離そうとするも、無駄だった。



『どうして……どうして、どうしてどうしてどうして!?こんな事、僕はしたくないのにっ……!!
どうなって……どうなっているんです?!

やめて下さいっ…!離して、離して下さいっ…!!
僕は……僕は!こんな事したくない!
ただ、傍にいたいだけなのに……否定してほしくない、だけなのにっ……!!

それだけ、なのにっ……』



遂に真名部は膝から崩れた。
Aも同じように膝をついたが、真名部の手は真名部の意に反して尚も彼女の首を締める。

真名部の願いは虚しく響く。
悲痛な願いは暗闇に溶け、真名部は子供のように泣きじゃくった。


Aの重なった手の力が、どんどん弱くなって行く。

遂にはだらんと滑り落ち、彼女のぬくもりを忘れていく。


Aは最後に真名部に告げる。



『は、なして……ま、な……べ……

で、ない、と……こう(・・)…なる……』



次の瞬間

ポキリ瓩隼匍ぬのいい感触が
彼女の首から伝わった。


真名部は顔を上げると、Aはもう動かなくなってしまっていた。


声を上げる事もなく、脱力したようにガクンと首を落として項垂れるAを見て、真名部は声にならない叫び声を上げた。

△リボンが235こ▽→←△リボンが233こ▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
設定タグ:イナギャラ , 真名部
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

*IJu*(プロフ) - あずさん» はじめまして!コメントありがとうございます!一気見するぐらい夢中になって頂けて嬉しいです(´˘`*)お褒めの言葉もありがとうございます、恐縮です…!これからも更新頑張りますー! (2021年2月8日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
あず - はじめまして…!今日このシリーズを見つけて、一気見してしまいました…!!!真名部が少しずつ追い詰められていく様子が細かく描写されていて凄く読み応えがありました…!!本当にすごいです!!これからも応援しております…!! (2021年2月7日 17時) (レス) id: 9c7942e2bb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年12月29日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。