検索窓
今日:7 hit、昨日:4 hit、合計:8,154 hit

△リボンが218こ▽ ページ25

「でも、真名部を殴ったのは許さないから。

ママみたいな事する人なんて、許さないから」



さっきとは違う、少し低い声。

もうフライパンは仕舞われたと言うのに
何故だか、また目の前で突き付けられている感覚に瞬木は陥った。


その気迫に瞬木は彼女の腕を掴む手の力が緩まると
Aは腕を振り払い、最後に冷たく瞬木を見遣る。

そうしてまた悲しそうに目を伏せると
真名部の方を向いて「行こ」と微笑んだ。



「……おい、真名部……」

「…もう、僕達の事は放っといて下さい。」



Aが瞬木に背を向けると、瞬木は次に呆然と真名部を見遣る。

だが真名部も瞬木を見ようとはしなかった。
ただ、憐れむような顔をして、そう告げるだけだった。


そのまま2人は路地裏を出て、歩き出す。

稲妻町を出て、これから自分達の家である、あの一軒家に帰るのだ。


その背中を見えなくなるまで、瞬木達は呆然と見ていた。

そうして見えなくなってから、皆帆がハッと気付いて駆け出した。


何を呆けているんだろう。
あの2人はまだ、遠くに行っていない。

せめて、彼等の牴鉢瓩箸笋蕕鯑団蠅靴覆韻譴弌
そうして今度は警察も呼んで、彼女を逮捕してもらわなくては。



「皆帆…!」



そんな皆帆を天馬が止めた。
路地裏まで出そうになった所で天馬が追い付いて、慌てた様子で皆帆の腕を掴んだ。

途端に皆帆は「どうして?!」と声を上げる。
いつもは冷静な彼らしくない、酷く取り乱した様子だった。



「真名部くんはまだ目の前にいるんだ…!
早く追い掛けて、居場所を特定しないと…!!」

「……皆帆……」

「せ、折角、折角ここまで来たのに…!
折角、久しぶりに会えたのにっ…!!
ヤダ……ヤダよ、ヤダ……!こんなお別れなんて、イヤだ……こんなっ……!」

「……」



とうとう皆帆も泣き出してしまった。

張り詰めていたモノがぷっつり無くなってしまったかのように。子供のように泣きじゃくる。


空いた片手で涙を拭う皆帆。
天馬はそんな皆帆を見て、なんとも言えない表情を浮かべた。

△リボンが219こ▽→←△リボンが217こ▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
設定タグ:イナギャラ , 真名部
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

*IJu*(プロフ) - あずさん» はじめまして!コメントありがとうございます!一気見するぐらい夢中になって頂けて嬉しいです(´˘`*)お褒めの言葉もありがとうございます、恐縮です…!これからも更新頑張りますー! (2021年2月8日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
あず - はじめまして…!今日このシリーズを見つけて、一気見してしまいました…!!!真名部が少しずつ追い詰められていく様子が細かく描写されていて凄く読み応えがありました…!!本当にすごいです!!これからも応援しております…!! (2021年2月7日 17時) (レス) id: 9c7942e2bb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年12月29日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。