△リボンが213こ▽ ページ20
ヒュンッ、不意に風を切る音が聞こえて、俯いていた真名部は顔を上げた。
すると、いつの間にか目の前で立っていたはずの瞬木は横に傾いていて、真名部は目を丸く見張る。
この光景、見た事がある。
ショッピングモールで、殴られた警備員の姿と重なる。
嫌な音が路地裏中に響き、途端にゾワッと悪寒がした。
ダラダラと嫌な汗が流れ、真名部は恐る恐る隣を見遣る。
隣にいるのはAだ。
しっかり手は繋いでいるA。
しかし、空いたもう片方にはいつの間にかフライパンが握られ、いつしかの時のように目をカッと見開き、倒れた瞬木を見下ろしていた。
「……ごめんね、真名部」
おもむろに、Aは口を開いた。
呻く瞬木をよそにAはそっと振り返り、続けた。
「___約束、破っちゃうかも」
「っ……テメェ!!」
瞬木が殴られ、唖然とする皆帆達だったが
ようやく久坂が飛び出すと、拳を突き出しAを狙った。
しかしその拳をAはフライパンで受けた。
鈍い金属音が響いて、久坂は金属を殴った痛みに思わず顔を歪める。
間髪入れず、更にその腹にフライパンを叩き込むと
久坂は後ろに軽く飛ばされ、痛みに歯を食いしばった。
「久坂っ…!」
「な、なんだコイツっ…?!」
「フライパン……そうか!『通り魔殺人事件』の凶器はっ……!」
「ねぇ、」
久坂もダウンし、残る3人は彼女の豹変ぶりに目を瞬かせる。
そんな3人にまるで銃でも向けるようにAはフライパンを突きつけると、先程とは打って変わって、軽蔑するように3人を睨みながら彼女は告げた。
「これ以上、真名部をいじめるの?
……皆帆達も、ママみたいにいじめるの?」
「っ……」
「それにね皆帆。私、アナタが嫌いみたい。
だってアナタ爛院璽汽牒瓩澆燭い覆鵑世發鵝
私爛院璽汽牒瓩魯泪泙亮,紡膩い」
1度真名部から手を離し、ジリジリと3人に歩み寄るA。
反対に皆帆達は後ろに下がって行くが、もうすぐこそは行き止まり。
真名部はその光景を止めるでもなく、仲間を助けるでもなく、ただ見ていた。
呆然と眺める事しか出来なかった。
20人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*IJu*(プロフ) - あずさん» はじめまして!コメントありがとうございます!一気見するぐらい夢中になって頂けて嬉しいです(´˘`*)お褒めの言葉もありがとうございます、恐縮です…!これからも更新頑張りますー! (2021年2月8日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
あず - はじめまして…!今日このシリーズを見つけて、一気見してしまいました…!!!真名部が少しずつ追い詰められていく様子が細かく描写されていて凄く読み応えがありました…!!本当にすごいです!!これからも応援しております…!! (2021年2月7日 17時) (レス) id: 9c7942e2bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ