ト シ ノ サ 【不動明王】Part14

勝手に撮るんだ ページ16

帝国学園サッカー部の部活動が終わり、生徒達が皆グラウンドから出て行く様を横目に俺はポケットからスマホを取り出す。

練習終了間際にメッセージの通知音が鳴ってたからな。その確認だ。


一体誰から、なんて柄にもなく期待を込めながらロックを外して画面を見遣ると、通知の名前はじゃじゃ馬姫様。

ちょっとドキドキしながらもメッセージを確認する。
つってもどうせアイツの事だ。大した事ではないんだろう。
いつも通り何となくか、なんか向こうであったのか。


……流石に親父さんの事じゃない……よな？



『見て下さい、不動さん』
『山菜さんから写真を頂きました』



メッセージを確認すると、そんな文と共に1枚の画像が送られていた。

その画像に映っていたのは3枚の写真。
おそらく試合を見ている時の俺の写真だろう。
カメラではなくグラウンドに目線を向け、1人でニヤついている滑稽な姿が映っていた。


おいおい、コイツついに盗撮にまで手を染めやがった……いつかやると思ってたケドよ。

つーか、山菜から貰った？
確かにアイツ、練習中にもいつも写真撮ってるけれど……まさか自分も撮られていたとは。
古城が頼んだんだろうか。



『それと私と不動さんのツーショット写真も撮ってもらったんですよ』



その後のメッセージには更にもう1枚、画像が送られていて、その画像を見て思わず俺は目を見張る。


その画像に映っていたのは俺と古城。

試合が終わってベンチで話している所だろう。
しかも俺が気紛れで頭撫でた所を撮りやがって……



「(しかもこの時こんな顔してたのか、俺……)」

『勝手に撮るな。次からは金取るぞ』



若干危なげなく感じつつも、冗談っぽくそう言ってみる。


今の俺と古城の関係は結構危ういんだ。
古城がそれっぽく嘘ついて誤魔化したが、それでも知らない人が見たらヤバいだろうし。

また狩屋達の時みたいに誤解されないように
こういう事は金輪際やめて頂きたい。


………それに、写真ぐらい言えばいくらでも撮ってやるのに。



『女子高生にお金を貢ぐのではなく奪うとは』
『なんという凶悪。なんという非情』



メッセージを送って少しすると、古城から返信が届いた。


相変わらず調子のいい事ばっか言いやがる。

色々諸々奢ってやってんのは誰だっつーの。
別に俺の好きでやってるんだケド。

食い物ばかりなんだ→←演技派なのです

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