△リボンが252こ▽ ページ10
「……まなべ……一緒にいると、移しちゃう……ｺﾎｯ。
だから、まなべ……今日は一緒にいなく、ても……いいよ」
布団の中で小さく咳をしながらAは真名部を見上げる。
その声はいつもの元気の有り余る声とは似ても似つかない程に弱々しい。まるで別人のようだった。
そんな彼女の弱った姿に真名部の不安は更に募る。
「そんな……そんな事、気にしている場合じゃありませんよ…！Aさんが1番ツラいはずなのに！」
「でも……ｹﾎｯ……まなべが病気になるのが……1番、ツラいもん……
大丈夫……こうやってじっとしてれば、そのうち治るから……」
また1つ咳をして、Aは眉を下げながら笑う。
そうして布団の中に潜り込み、小さく縮こまった。
風邪を引いた時はいつもそうなのだろう。
何せ彼女の母親は彼女の為に風邪薬なんて気の利いたモノさえくれない人だから。
勿論、看病なんてする事もないだろうし
そうなると自然治癒に任せるしかない。
真名部はどうにかして、彼女が苦しむ時間を短くしてやりたかった。
目の前で辛そうに眠るAを見るのに耐えられなくて。
ただの風邪であるはずなのに、まるで難病にでもかかったような気分になった。
「とっ……とにかく！食欲はありますか？
今は回復の為に栄養のあるものを口にした方がいいと思うので……！」
「ｹﾎｯ……あんまり……お腹空いてない……」
「そ、そうですか……
水とかも飲めそうにないですか？」
「お水……お水なら、飲めるかな……」
「で、では持って来ますね…！少しお待ち下さい！」
Aの返答を聞いてすぐ真名部は立ち上がると、キッチンの方へ向かい水をコップ注いで持って行く。
本当ならストローも差して飲みやすくしてやりたかったが、そんな気の利いたモノはこの家には無かったし
こんな事になるとも思わなかったから買わなかった。
その事を今更真名部は悔やむ。
水を持って行くとAは半身を起こし、真名部からコップを受け取った。
起き上がるだけでも億劫なのか、やけにゆっくりとした動作だったが、コップの水をこくこくと飲むAを見て真名部は少しだけ安堵する。
注いだ水の半分を飲んでAは再び布団の中に潜ると、真名部は身体を冷やす物を探しに再びキッチンの方へと向かった。
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＊IJu＊(プロフ) - 莉央夏さん» ストーリーは前々から薄ら出来上がっていたので、書いちゃいました()まだお話をまとめている途中なのでパスかけてありますが、お話が固まり次第公開しようと思いますので、気長に待って頂けると……！更新頑張ります！ (2021年5月18日 22時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
莉央夏 - 「箱庭少女の孤高哀歌」のその後を書いていただきありがとうございます！パスワードがかかっている為まだ見れていませんが無理なさらず投稿して下さい！応援してます♪ (2021年5月18日 18時) (レス) id: e85eafe245 (このIDを非表示/違反報告)
莉央夏 - ありがとうございます！気長に待ちますね！無理だけはなさらずに！ (2021年5月12日 8時) (レス) id: e85eafe245 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 莉央夏さん» ですが、まさかこうしてわざわざ御希望のコメントを貰うとは……！ちょっと前向きに考えてみますね！ (2021年5月11日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 莉央夏さん» 他の作品も掛け持ちしてるし、まだまだ書きたい作品があるので優先順位が自分の中でどんどん後ろに追いやられている状態です…… (2021年5月11日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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