△リボンが356こ▽ ページ16
ラッシュ時の混雑を知っている真名部は内心胸を撫で下ろす。Aの寄り道に付き合った結果、電車内での寿司詰め状態を回避出来たのだ。
それに人が少なければ、人と接近する必要もなくなるので、自分達の正体が気付かれる可能性も低くなる。
本当ならもう少し人がいない時間帯にしたいが……
それよりも早く真名部はこの地から離れたかった。
「うわぁ……！何アレ何アレ？！
なんか同じ機械が並んでる！」
「改札ですよ。あの機械の中に切符を入れると、通れるようになって、電車に乗れるようになるんです」
「すっごーーい！！
それで？切符は何処？何処に行けば貰えるの？」
「切符は……あの機械で購入するんです。
少し待っていて下さい、今行き先を……」
「じゃあじゃあ！早く切符貰お、じんくん！」
「うわぁっ？！ちょっと？！」
見慣れない機械、見慣れない景色に興奮気味のAに切符売り場を教え、行き先を決めようと路線図を見ようとしたのだが、Aはそんな真名部の手を引っ張って切符売り場へと向かってしまった。
売り場の機械の前に立つと、Aはまた感嘆の声をあげ、キラキラとした目で画面を見遣る。
「触っていい？」「コレ押すの？」「このボタン何？」「どうやるの？」と真名部に尋ねるので、真名部は彼女を宥めながら、説明してやった。
「えぇっと……まずは路線図を見て、行き先を決めないと…」
「ろせんず？」
「駅の名前と場所が書いてある図です。
同時にその駅に行く為の値段も表示されているので、行きたい場所の値段のボタンを押して、お金を……」
「うーーん……よくわかんない！
とりあえず、ボタン押せばいーい？」
「…………はい」
真名部なりにわかりやすく説明したつもりだったのだが、Aはそんな事よりも早くボタンを押したくて堪らなかったようだ。
聞いているのかいないのか、首を捻って彼女はそう言うと、画面の前に人差し指を翳し、真名部の了承を待った。
正直、真名部としても行先はどうでも良かった。
ただ、ここから遠く離れたかっただけなので真名部は不満そうにしながらも頷くと、Aは適当に画面をタッチした。
押されたのは『440』の数字。
一応頭上の路線図を真名部は確認したが、そこそこ離れた距離の駅だった。
真名部はソレを2人分購入。
1000円札を入れる際にAがまた「入れたい！」と言っていたので、投入口に入れさせてやり、出て来た切符2枚とお釣りを持って切符売り場を後にした。
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＊IJu＊(プロフ) - キジバトさん» 初めまして！コメントありがとうございます^^楽しんで頂けているようで良かったですー！作者無計画なんでこの章で終わるかはわかりませんが、でも終わりが近付いているのは確かなので、是非最後まで楽しんで頂けたら…！更新頑張ります！ (2021年12月24日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
キジバト - 初めまして！この作品めちゃめちゃ大好きです！文章もすっごい神だし、真名部の心の動きとかがすごく丁寧に書かれててすごく面白いです！クライマックスなのはちょっと寂しいですが，そのまま最後まで頑張ってください…！応援してます！ (2021年12月23日 1時) (レス) @page1 id: 7552df8542 (このIDを非表示/違反報告)
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