△リボンが355こ▽ ページ15
あっという間に5本の焼き鳥を平らげた2人は、近くのゴミ箱にゴミを捨ててから再び歩き出した。
真名部は本当は真っ直ぐ駅に直行したかったのだが、Aがソレを阻んだ。
初めての夜のお出掛けに浮かれているのだろうか。
自分が気になる所に真名部の許可も取らずグイグイ行くので、真名部は終始振り回されていた。
早くこの地を離れたい真名部にとって、その行動はただただ時間を取るばかり。内心焦りが募っていたが、そんな彼女を止めないのも他ならぬ真名部自身だった。
「……満足、しましたか?」
「うん!」
気付けばここに来て早1時間弱。
商店街の出口に着き、真名部は確認するとAは満足そうな顔で大きく頷いた。
真名部はその返答に大きな溜息を吐くと
気を取り直して、彼女と共に駅を目指した。
「すごいね〜!お昼と全然違ったね!
おでんとかもあるなんて知らなかった!」
「夜は居酒屋等の営業が始まるからですかね。
この通り、居酒屋多いですし」
「いざかや?」
「お酒を嗜む……楽しむ場所、って言えばいいんでしょうか。行った事ないからわかりませんが」
「お酒、って……ママがよく飲んでたヤツかな?」
「ええ、そうですね。
……あんなもの、身体に毒です」
「じんくんは飲んだ事あるの?」
「ありませんよ。大人にならないと飲めませんから。
まぁ……大人になっても飲みたくありませんけれど」
「私は飲んでみたいな〜!
お酒って色々あるんでしょ?甘いのとか!美味しいのとか!じんくんも好きなのあるかもよ?」
「…………Aさんは飲まない方がいいと思いますけれど」
賑やかだった商店街から一変、また静かな通りを2人で歩く。
しかし、Aが変わらず話してくれるので、真名部は寂しいとは思わなかった。
他愛のない話で盛り上がっている内に、あっという間に駅に着いた。
ホームにはポツポツと疎らに人が点在し、真名部が思っていたよりも随分と静かだった。丁度夕方のピークの時間を過ぎていたからだろう。
それに加えて、ここは都市部ではないので
この時間に帰る人はいても、わざわざ都市部へと出る人はいないのだろう。
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*IJu*(プロフ) - キジバトさん» 初めまして!コメントありがとうございます^^楽しんで頂けているようで良かったですー!作者無計画なんでこの章で終わるかはわかりませんが、でも終わりが近付いているのは確かなので、是非最後まで楽しんで頂けたら…!更新頑張ります! (2021年12月24日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
キジバト - 初めまして!この作品めちゃめちゃ大好きです!文章もすっごい神だし、真名部の心の動きとかがすごく丁寧に書かれててすごく面白いです!クライマックスなのはちょっと寂しいですが,そのまま最後まで頑張ってください…!応援してます! (2021年12月23日 1時) (レス) @page1 id: 7552df8542 (このIDを非表示/違反報告)
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