◇ラプンツェルと気だるげな昼食 ページ41
「はぁ……練習したい……」
昼食の時間。
エンドウはいつになく気だるげな感じで、フォーク片手にそう呟く。
結局本当に練習しないで、お昼まで来ちゃった……
練習してないからか、心做しか食堂は静かだし、なんだか皆も大人しめ。
そんなエンドウの席にお茶を運ぶが、エンドウは「サンキュ…」とやっぱりいつもの元気がない。
エンドウはサッカーをやらないとここまで元気が無くなるんだ……こんなエンドウ、少なくとも画面越しでは見た事なかった。
「俺もッス!お腹減らないから食欲無いッス…」
「そう言うカベヤマが1番食べてるみたいだけど…」
「これでもいつもより少ない方ッスよ。
いつもならこの倍は食べてるッス!」
カベヤマもいつもより食べてない(とは言ってもやっぱり普通の人より食べてる)ようだし。
何ならおかわりだってさっきしたし。
それに練習出来ない事に不満を持っている人も多いみたい。
練習どころか合宿所から出られないもんね……
そりゃ不満だって溜まるよ。
せめて、どうして練習しちゃダメなのか理由がわかればいいんだけれど……あの監督の事だし、聞いても話してくれないだろうな。
「ごちそうさん」
そんな中、トビタカはもう食べ終えたみたいで
席から立って、空のトレイを下げて行った。
そのまま食堂から出ようとするトビタカをカゼマルが呼び止める。
「飛鷹、もう部屋にもどるのか?」
「…どうしようと俺の勝手だ」
「それはそうだが…」
するとトビタカはそんな風に返すので、私は思わず驚いた。
私と一緒にお話した時はあんな口調じゃなかったのに……
その時のトビタカは、何処かフドウみたいなイヤな感じだった。
「…なんかヤな感じッス」
「でヤンス…」
「……」
冷たいトビタカにカベヤマとクリマツはボソッと呟くが、トビタカは耳が良いみたい。
ギロリとトビタカに睨まれて、2人は慌ててトビタカから目をそらした。
……あんな怖い顔も初めて見たかも。
いや、顔は元々ちょっと怖いなとは思ってたけれど…
あんな風に睨まれた事、なかったから。
でもふと、私とトビタカの目が合うと
途端にトビタカは私から顔を背けた。
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*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)
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