【イナイレ】シッカーラプンツェル5【不動明王】 (ページ5)

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◇ラプンツェルはわからないページ5

その後の試合も不動のやりたい放題。
ラフプレーの連発で、ライモンだけが傷ついていく。
でも私はその光景を見ている事しか出来なかった。

だって私はライモンの仲間じゃないから。敵だから。

キドウが折角誘ってくれたのに、断ったから。

でも正直、このまま真・帝国学園として動くのに疑問もあった。

私は何の為に此処に立っているのか、わからなくなっちゃったから。

そりゃ、サクマとゲンダを守る為なのはわかってる。
その為に特訓もして、前半では『ジャッジスルー2』でライモンを傷付けてしまった。

でもさっきのキドウとサクマのやり取りを見て。
サクマにボールをぶつけられて。

なんだろう……もう、力が入らなくなったというか。

守っても意味が無いんだって、思うようになってしまった。

だって、私がどれだけサクマとゲンダを守ろうと
2人自身が望んでいる限り、2人は自分を壊してでも禁断技を使うだろう。

そんな2人を守り続けて、意味はあるんだろうか？

仮に守り切った所で、2人は次の試合では禁断技を使わないでいてくれるのかな？
もう力に溺れないで、元の優しい2人に戻ってくれるのかな？

………わからない。

もう、わからないの。

この試合、私はどう行動するのが正しいのか。

フドウはさっき宣言した通り、もう私にボールを渡そうなんて思ってない。

サクマにばっかりボールを渡す。

まるで私は透明人間にでもなってしまったよう。

フドウにはきっと私が見えていないんだ。

フドウはきっと、私の事なんて。

「これで決めるっ！」

「やめろ、佐久間っ！！」

ボールが再び、サクマに渡る。

キドウはすぐにサクマに駆け寄ろうとしたけれど
その進路をフドウが邪魔して通してくれなかった。

我に返って、私はサクマの前に出ようとする。

止めなきゃ……だってアレを打ったら3回目…！
上限は2回までなのに、それ以上打っちゃう。そうなったら。

でもすぐ脳裏にさっきの事が思い起こされる。

前に立ったらサクマは怒鳴り声をあげながら、私に向けてボールを蹴った。

痛かった。
あのボールは本当に痛かった。

初めてお腹に受けた衝撃はまだ私のお腹に残ってる。
ちょっとまだ痛いけど、サクマやゲンダの痛みに比べたら、きっとまだマシ。

このまま前に出ても、サクマは私を蹴っ飛ばして禁断技を打つだろう。

そうなったら私は何も守れなかった事になる。

折角守る術を学んだのに。

色んな人に教えて貰ったのに。