【イナイレ】シッカーラプンツェル5【不動明王】 (ページ33)

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◇ラプンツェルとサクマページ33

しかもその声がそこそこの声量だったみたいで、途端にグラウンドで練習していた選手全員の視線が私に移る。

「誰だ…？」

「…あれ？キミはあの時の……」

「Aっ…？！」

「こっ……こ、コンニチワ………」

一斉に人に見られる感覚は久しぶりでもやっぱり慣れなくて。
途端に私の体は石のように固まり、ぎこちなく皆に向けて手を振った。

ま、まさか後ろからアキに声を掛けられるとは思わなかった……

そんなに夢中で考えてたのかな、私……

「A！どうしてこんな所に…？」

とりあえず、アキのススメもあり私は皆の所に行くと
開口一番にサクマが最もな疑問を口にした。

そうだよね。サクマは私の病気の事知ってるもんね。
普通なら病院にいなきゃいけない所だもん。

病気が治ってなかったらって話だけど。

驚きと共に若干不安気な表情のサクマに私は微笑むと
心配させないよう、声を張って答えた。

「ふっふーん！実は私、病気治してもらったの！」

「な、治して…？」

「キドウが手術代、半分出してくれたみたいでね。
そのおかげで私、手術受けられたんだよ！」

「って、事は……もう何処も悪くないのか？」

「うん！……でもまだちょっとリハビリとかしなきゃいけないケド」

私は苦笑いを浮かべると、サクマは途端に嬉しそうに笑って「良かったな」と私の頭を撫でてくれた。

サクマに頭を撫でられたのも久しぶり……

あったかくて大きな手。あの時と変わらない。

……サクマ、ちゃんと戻ったんだね。
元の優しいサクマに。

なら、ゲンダの方も戻ったのかな。

「そ、それよりサクマ…！サクマはどうして此処にいるの？禁断技3回も打っちゃって、身体動かないんじゃ……」

ふと私は1番の疑問を思い出し、サクマに尋ねる。

サクマこそ、どうしてここにいるんだろう。
禁断技の影響で身体がﾎﾞﾛﾎﾞﾛになっちゃったはずなのに。

そうしたらサクマは「ああ、」と思い出したような顔をすると、また私の頭を撫でながら答えてくれた。

「紹介された最先端医療のおかげだな。
自分でもあの状態からここまで回復するとは思わなかったが……今じゃ前みたいにサッカー出来るようになったんだ」

「じ、じゃあ……サクマの怪我も治ったんだ！
良かったァ……！」

サクマの答えに私は胸を撫で下ろす。

どうなるかと思ったけれど……サッカー出来るまで回復出来たなんてスゴい。

サクマがらまたサッカー出来るようになって良かった…！