探偵フクロウと独りのハイエナ Part15 (ページ35)

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その後の展開はイクサルフリートのラフプレイが目立った。

ボールも持っていないのに、スライディングで引っ掛けて転ばせたり、タックルして突き飛ばしたり。

クソっ……やっぱりそうやって攻撃するんだな、イクサルフリートの連中はよ。

こっちはちゃんと正々堂々やってるって言うのに。

そんな中、ボールを受け止めた瞬木はソウルを発動。

ハヤブサの嘶きと共にボールは放たれ、ゴールを襲う。
キーパーの人は両手で押し返そうとしたみたいだけれど、逆に押し込まれてボールはゴールネットに突き刺さった。

得点、6-6。

遂に同点に追い付いた。

空野「同点まで来た…！」

市川「皆さんの頑張りにキャプテン達が応えてくれてますね！」

ｶｾﾞﾙﾏ「想いは皆同じ！どの星の生まれだろうが関係は無い。

皆、それぞれの星の誇りを守りたいんだ…！」

星を超えて繋いだ試合。
そうして、ようやく1点差まで縮める事ができ
ベンチにいる私達も湧き上がる。

この調子で行けば、いける…！勝てるよ、この試合！

あんな絶望的な状況だったのに
勝利への希望が見えて来た。

このまま行けば、勝てる。
本当にそう思えてしまうくらいに。

ｵｽﾞﾛｯｸ「…まだ抵抗するか…」

でも現実は決して甘く無い。

この時、もう既に〝狂気〟は私達の〝光〟を捉えていた。

とぐろを巻いた蛇のように
黒く濁った瞳で〝希望〟を睨んでいた。

－－－

試合再開。
早々にボールが高く舞い上がり、ソレを拾いに天馬が向かう。

だが反対側ではオズロックもボールの元に向かっていて、私の中で緊張が走る。

さっきから乱暴なプレイばかりだから……
また何かされるんじゃないかって。

でもボールを制したのは天馬
空中でボールを取って着地すると、天馬はそのまま敵のゴールへと進軍する。

だけどオズロックがすぐにその前に回り込み、天馬の進行先を塞いだ。

相変わらずの速さだな、オズロック……

だがドリブルなら天馬だって負けないんだから。

天馬はフェイントを入れて回り込んだオズロックをかわしてみせると、前線へとボールを運ぶ。

オズロックの横を通り過ぎたその瞬間
ヤツの顔が一瞬、大きく歪んだように見えた。